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作品名:おもしろ地球史 新幹線版   恐竜は多摩川で絶滅した 作者:羅々見 朴情

第1回   はじめに
私たちが暮らしている地球はざっと46億年前に出来たと言われています。

フーム、46億年前ねぇ。

一口に46億年と言いますが、それを実感できる方って、それほど多くはないでしょう。

私たちが地球の歴史に触れるとき、そこには何万年前とか何億年前という言葉が随

所に出てきます。

この何万年とか何億年という言葉でさえ、実感するのはなかなか容易なことではない

と思います。

私たちはせいぜい80〜90年程度しか生きられませんから、それは無理のないことな

のかもしれません。

でも、それが私たちから地球史を縁遠いものとしている大きな要因の一つではないか

とも思うのです。



私はこの何万年とか何億年という実感しにくい巨大な時間の隔たりをなるべく分かりやす

いもので表現し直して、気が遠くなるほどに膨大な地球の歴史を分かりやすく、面白い物

にしてみようと思いました。

一頃、地球の年齢である46億年を24時間に換算して、地球の歴史をコンパクトに分かり

やすくする考え方が流行りました。

それによって表された地球史上の人類史の短さに、当時まだ子供であった私は非常に驚

かされました。



しかしその方法だと、通常私たちが認識する時間の基本単位ともいえる一秒がなんと5万

3000年という大きな時間に相当してしまいます。

私たちが歴史に触れる際の時間の基準単位ともいえる一年の長さがそれによる表現では

あまりにも短すぎることに気がつきました。

これでは地球史を眺めていく上で少々分かりにくいのではないかなと思いました。

そこで私は46億年という時間の長さを鉄道路線の長さに置き換えてみました。

それも皆さんにも馴染み深い東海道・山陽新幹線(以後、新幹線とす)の総延長距離に置

き換えてみました。

因みに新幹線の東京駅から博多駅までの距離は時刻表によると1147.9kmあります。

この1147.9kmという地理の隔たりを46億年という時間の隔たりに変換するのです。

ところで46億年を1174.9kmに置き換えると,一年は0.2554mm(以後、0、25mmとす)

という極めて短い長さになってしまいます。

それでも5万3000分の1秒よりは分かりやすいのではないでしょうか。


それにしても、一年という時間の隔たりを具体的な地理の隔たりに変換した場合、それが

たったの0、25mmにしかならないというのは、何とも空しいような、寂しいような気持ち

にもなってきます。

仮に一人の人が80年生きたとしても、この表現方式だと、その人の人生の長さを表す地理

的な距離は2cmにしかなりません。


波瀾万丈の80年の人生がたったの2cmとはねぇ・・・。


でも、そのことは我々に地球の歴史がどれほど膨大なものであるかを痛切に認識させてく

れることに繋がります。

さらにそのことは、今我々が消費している化石燃料をはじめとする数多くの地球資源がど

れほど貴重なものであるかをも認識させてくれます。




さて、ご存知の方も多いことだろうとは思いますが、東京駅のホームには一部のホームを

除き、0kmポストという物があって各路線の距離程の始まりを表しています。

そこで、その0kmポストを「たった今の現在」とし、1174.9km離れた博多駅の新幹線ホー

ムの中央部を「地球誕生の時」とします。

こうすると何万年前に起きた出来事は○○駅あたりで起こったことになるとか、あの生物

が地球上に現れた何億年前から何億年前の間とは、東京駅から何km離れた地点と何km

離れた地点の間のことだよ、というように具体的で分かりやすくなってきます。




例えば、子供に人気のある恐竜は6500万年前頃に絶滅したといわれています。

では、その6500万年前頃に相当する場所とは新幹線路線のどのへんになるでしょうか?

一年は0.25mmという長さしかないことを頭に入れてくださいよ。

さぁ、恐竜が絶滅した6500万年前頃とは、はたしてどのへんになるでしょうか?

しかし、急にこのようなことを質問されても、ほとんどの方は皆目見当もつかないでしょ

う。

答えは東京と神奈川の都県境の多摩川あたりになります。

そして、その距離は東京駅から16.5km行った地点となります。

さて読者の皆さんはこの答えをご覧になってどのようにお感じになったでしょうか?

6500万年前に相当する所とは皆さんの想像した所よりも遠い所だったでしょうか?

それとも近い所だったでしょうか?

しかし、いずれにしろ、恐竜が絶滅した6500万年前頃とは「たった今」から見てどれほ

ど昔なのかをこれによってはっきりと記憶することができるでしょう。

そして、この恐竜の例えは地球史を勉強する場合の分かりやすい一つの物差しになった

のではないでしょうか。

さて、これで6500万年という時間の隔たりの大きさが具体的にお分かりいただけたこと

と思います。

6500万年という時間の長さに相当する地理的な距離・長さが分かっていれば、一億年の

長さも大体予測できます。

それでも6500万年という時間の隔たりに相当する16.5kmという距離も新幹線の総延長

1174.9kmに比較するとわずか1.4%にしかなりません。

やはり46億年という時間の隔たりは膨大なものです。



ところで地球史上では様々な出来事がありました。

その様々な出来事は「たった今」から見て、どれほどの時間的隔たりを経たことなのか

を地理的隔たりに置き換えて具体的に実感できるように見ていこうと思います。

そこには今の地球とは全く異なった状況にある地球が登場したりします。



地球史を解明していく上での手掛かりの代表といえば世界中の地層とそこに閉じ込めら

れた化石です。

言わば地球史とは推測の学問です。

ひとつの出来事や事柄に関して、じつに多くの学説や仮設があります。

ここではそれらのことも踏まえて地球史を調べていきます。




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