『私』 日々を無駄に過ごしていると、世間から思われているであろう「主婦」に、この春から仲間入りをした。 それまでは、土日なく過ごしていたのに。 とても、今の日常が暇で仕方がない。 夫が帰ってくる前に、掃除、洗濯、夕飯の調理に…。 そして、少しの暇を持て余す。
そんな私は25歳のこの春。 長年付き合った彼と結婚し、晴れて「夫婦」。
それまでは俗に言う「オタク」を満喫していた。 友人とはアニメの話をして。 趣味は漫画を書く事。 ネットでは、アニメを見るか、創作小説を読んだりとか。 部屋には、数え切れないほどの漫画があって、捨てるときにどれを残そうか迷ったっけ。
こんな私でも「結婚してください」と言ってくれる男性がいて。
それを嬉しい気持ちで受け止めて。 この春、彼の籍に入った。
入った…
の、だけれど…。
「毎日が暇、なのよね〜」 バリバリと働いていたせいで(きちんとOLしてた)、土日も平日もなく休みのこの生活は、限りなく暇なわけで。
夫を送り出し、洗濯も終わり、アイロンもかけて、洗物も終わり… テレビがただ流れている暖かな部屋で、私は物思いに耽っていた。
新しい新居には、夫がどうしても欲しがっていた二人掛けのソファ。 暖かな日差しが窓から降り注ぐ。
平日の昼間は、外からうるさい子ども達の声もしない。
ソファから眺めた空には小鳥だけが、自由気侭に空を飛んでいた。
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