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作品名:桜、蕾のまま… 作者:TAK

第2回   夕飯を求めて
「今日、飯行くかね?」

仕事を終え、スポニチの競馬面を見ながら一服していると同僚の玉置が話しかけて来た。

少しウザイなとは思ったが、日頃のストレスを癒すためにも夕飯は少しでも美味いものを求めていた

僕はあっさりとOKを出した。

暫く他の同僚とくだらない話をしてから僕たちは車に乗り込み、今日はどこに行こうかと相談して、

隣町に新しく出来たラーメン屋『絶好調』の話を思い出して今日はそこに行くことに決めた。

交通量の多い国道をひたすら北に向かって車を走らせる。

ところどころ雪の残る景色を眺めていると、いつもの玉置の愚痴が始まった。ウザイと思いながらも、

それを承知でOKしたので適当に相槌を打ち、やり過ごす。

やがて車は国道から逸れ、大きな橋を渡って、何度か右折左折を繰り返し尚も進む。

「確か・・・この辺だよね?」

車の窓を少し開け、煙草を吸い始めていた玉置は、そう言うと車の速度を少し落として辺りを見渡した。

僕も煙草に火を付け、”それらしき建物”が無いか辺りを見渡して探す。何度が同じ所を行ったり来たりしていたのだが、

見付からない。空腹を我慢出来なくなり、半ば諦めかけていた僕たちは他で飯にしようかなんて相談し始めていた。

さっき通った道を引き返していた、そのときである。

僕は”それらしき建物”を見付けたので慌てて玉置に引き返すように指示をした。

『絶好調』・・・ここだ。

駐車場に車を停めると、二人は取り合えず煙草に火を付けて一服を始めた。

最近はどこの店も禁煙、禁煙。ここもそうかも知れないからなのだが、煙草を吸う人間にとっては肩身が狭い。

『ラーメン屋、絶好調』は出来たばかりなので混んでいるようだ。外の方まで客が列を成している。

しかし、次から次へと客が入れ替わっているので回転はとても早い。

煙草を吸い終えた2人は車から降りて、店に向かって歩き始めた。

「寒いな・・・」

2月の冷たい空気に吐き出した息は放射状に白く濁って、やがて消えて行った。


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