プロローグ
彼女に初めて出会ったのは電車の中だった。 終電間近の遅い時間。 都市から離れたのどかな街へ向かう電車の中は閑散としていた。
その時は気づいてなかった。
遅い時間に電車に乗ってた君。 それはたまたまじゃない。 閑散としていた電車に乗ってた君。 それはたまたまじゃない。
あえて選んでいたんだね。
その日、初めて会った君が気にかかったのは、 小さな羽根で大きな空へ羽ばたこうとしている君を、どこか感じ取ったせいかもしれない。
1
電車が駅に入る。 私はその電車の中にいた。
座席に座って本を読んでいたが、その手をとめてホームにふと目をやった。
ちょうどホームごしに桜が見えた。 夜桜。 きれいだ。
そんなのどかさにひたっていたら、電車の扉が開き、制服姿の女子高生3人が乗り込んできた。
人気も少なく静かな電車の中が、女子高生3人の話し声で一気ににぎやかになった。
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