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作品名:赤い星 作者:小泉 静夫

第5回   5
16年前のある日、何通かの郵便物の中に分厚い親展のスタンプが
押された大型封筒があった。洗練されたロゴがJSSと読める。
中には大学ノートほどの厚さの冊子が2冊と返信用だろう封筒が一枚。

一冊の表紙には約款、そして下のほうに財団法人日本宇宙協会の文字が、
いかにも役人好みの字体で印刷されている。
もう一冊のほうも、これだけの為にプリントアウトして作りましたと
言わんばかりの物だ。
「あなたの地球を創ってみませんか。」
そんなキャッチコピーが、訴えることの雄大さとは不釣り合いに小さく
書かれている。開いてみれば片面印刷で文字は大きく、イラストが多いので
数分で読めた。

簡単にまとめると、10年程先にたくさんの隕石が地球に落ちてくる。
それを阻止するプロジェクトに参加して欲しい。
どういう形での参加かというと、遙かな宇宙のある場所に暮らし、
そこに備えられた装置で隕石を破壊する任務に就く、という。
今の私はこのまま生活を続け、わたしのコピーがロボットの体で永遠に
働き続ける。

荒唐無稽を通り越し狂気さへ感じる。
けれど私自身が、人類を滅ぼしたいという狂気に取り付かれていた時だった。
放り出しもせず先を読む事を見透かして送ってきたに違いない。


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