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作品名:赤い星 作者:小泉 静夫

第2回   2
せいぜい20%だな。失望が怖く無理やり引き下げた正解率。
最後の行には発信者の名が書いてある。
失望を覚悟で無理やり視線をそこに移動させる。
chicha。白いオタマジャクシ、ぷにゅぶにゅ、そしてこの署名。
間違いない。いや、たくさんの偶然が重なり、事実が例え違っていたとしても
間違いないと信じることにしよう。

この宇宙のどこかで彼女が暮らしている。
振り返り外を見る。というより、その手前、ガラス温室の中の黒い土を見る。
後数ヶ月すれば、またあの白粉花が咲き乱れるだろう。万華という言葉に
ふさわしい、一つとして同じ模様の無い花達。
花の後の、黒く艶やかな玉がてのひらで転がる感触を思い出しながら、
温室の先に目をやれば、漆黒の闇に帯になった星達が煌めいている。
意識をその一つに集中しようとした時、ザ・ピーナツの声が流れ出した。
らっらっらっらー ららららー。「情熱の花」。味気ないブザーを私が
この思い出の曲に変更した。

イスに移動している間にドーム型の、180度の視界を確保した透明な壁は
黒いシールドで覆われ、目の前の、手を伸ばしたら触れそうなあたりに
60センチ程の球体が浮かぶ。ここを中心に半径一光年の空間の
ミニチュア映像だ。


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