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作品名:Snow Lady 作者:HALTO

最終回   2
粉雪が舞う頃、季節はずれのバイトを始めた
場所は表通りにあるアイスクリームショップ
そこで知り合った彼女は少し変わっていた

冬なのに防寒着を身に付けない
いつも見かけるのは軽装でカジュアルな格好
好きな食べ物はアイスクリームで
季節を問わず1日必ず3個は食べるという
でも、彼女がいうにはアイスに限らず
冷たいものなら何でもいいらしい

彼女に面白い魅力を感じた僕は
バイト先から徒歩10分ほどのところにある
僕のアパートで彼女と暮らし始めた

街に春の気配が感じられるようになり
日中の気温も少しずつ上昇し始める
アイスクリームショップに足を運ぶ人の数も
少しずつ増えてきた

ある朝、彼女がなかなか起きてこなかった
気分が悪いからバイトを休むという
アパートを出るとき僕に一言告げた
「クーラーつけてもいいかな」

まだ3月なのに、もう暑いのかな

昼シフトのバイトに入って15分ほどが経った頃
店内が真っ暗になった
朝方から鳴っていた雷がどこかに落ちたようだ
急に暖かくなったと思ったら今度は雷
春は本当に天候が不安定だ
男子アルバイトの一人が叫ぶ
「おいおい、アイスが溶けちゃうぞ」

溶ける…

そういえば一度彼女の手に触れたとき
あまりの冷たさに背筋に寒気を感じたことがあった

停電ではしゃぐバイト連中を眺めながら
もしかしたら彼女は
もう部屋にいない
いや、もう会えない
なんとなくそんな気がした


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