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作品名:オーガストとメイ 作者:ハンス

第14回   第四幕  第一場〜第二場
第四幕


 第一場  教室

 
 朝の教室は、活気に満ちて賑わっている。
 ムツキ、カンナヅキ、キサラギ、ヤヨイが集まって話している。


キサラギ:オーガスト、また学校に来なくなっちゃったわねえ。
ムツキ:あいつ、何してるんだ?
ヤヨイ:無事にしていないといいけれど。
カンナヅキ:そうだな・・・っておい!
      とんでもないこと言うね!
ヤヨイ:そうかしら。
ムツキ:あいつ、そろそろまずいんじゃないか。
    出席が足りなくて、落第なんてことも・・。
カンナヅキ:それは大丈夫。
      ちゃんとそういうことを計算してサボっているから。
ヤヨイ:ばっかみたい!
キサラギ:ねえ、ヤヨイ、またオーガストに何かされたの。
     何だか日に日にオーガストのこと嫌いになっていくみたい。
ヤヨイ:悪くて?
キサラギ:悪くはないけど、友達として何だか寂しいよ。
ムツキ:そうそう。
ヤヨイ:・・・・・。
カンナヅキ:また泣かされたんじゃないか?
ヤヨイ:まあ!二度とそのことは口にしないで頂戴!


 メイ、登場。


キサラギ:あっ、メイ!
メイ:おはよう。


 一同、駆け寄る。


ヤヨイ:また私たちに何も知らせてくれないで!
メイ:驚かせたかったのよ。
キサラギ:具合はよくなったの。
メイ:とても。
   発作がやってくるまでの間隔がどんどん長くなっていってるの。
   先生が、もしかしたら、もう治ってしまったかもしれないって。
キサラギ:本当!嬉しい!
ヤヨイ:よかったね。
メイ:うん。
   [軽くあたりを見回して]・・・・オーガストは?
ムツキ:もう一週間近く学校に来ていないよ。
カンナヅキ:学校に来ていない日は何をやっているのかわからない!
ヤヨイ:幸福な日々が続いているというわけ。
カンナヅキ:おい!
メイ:そうなんだ。


 担任教師、登場。


担任教師:おはよう。さあ、みんな席について!


 生徒、席に着く。


担任教師:[メイに気がついて]おや、メイ君。
     退院おめでとう。気分はどうですか。
メイ:ええ。とてもいいです、先生。
担任教師:それはよかった。
     クラスのみんなも、君の事を心配していたんだよ。
     お見舞いにいけなくてごめんね。
メイ:いえ。
   先生が来たら気をつかってしまうもの。
担任教師:君が!あはは。
     [オーガストの席を見て]・・オーガスト君は、また来ていないのか。
キサラギ:はい。
担任教師:困った奴だ。
     今日は彼の追試の日だと言うのに。
ムツキ:追試!先生、あいつはそれを知っているんですか。
担任教師:先週からずっと言ってあったはずなんだが・・・。
     覚えているだろうか?
カンナヅキ:伝えたならちゃんと来ますよ。


 オーガスト、登場。


オーガスト:ああ、久しぶりだ。
      この教室の空気。
カンナヅキ:ほら。
オーガスト:この閉塞的で重苦しい空気!
担任教師:オーガスト君、席につきなさい。
オーガスト:やあ、先生。
      言われなくてもそうしますよ。
担任教師:追試のテストは、お昼からだよ。
     準備はできているかい。
オーガスト:昼!それならもっと寝ていればよかった!
担任教師:まあそう言わずに。
     君が午前中に学校にいることはとても珍しいのだから。
オーガスト:不覚だね・・。




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第二場  同じく教室。


 午後の授業の開始を知らせるベルが鳴る。


 担任教師、登場。

担任教師:[オーガストの席を見て]おや、オーガスト君は?
キサラギ:さっき帰りました。
担任教師:なんて子だ!
カンナヅキ:追試の結果、どうだったんですか。
担任教師:満点・・。
     まったく人を馬鹿にしているね!
ムツキ:確かに嫌味な奴だ!
担任教師:やっぱりきつく言うべきなのだろうか・・。

メイ:・・・・。



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