第四幕
第一場 教室
朝の教室は、活気に満ちて賑わっている。 ムツキ、カンナヅキ、キサラギ、ヤヨイが集まって話している。
キサラギ:オーガスト、また学校に来なくなっちゃったわねえ。 ムツキ:あいつ、何してるんだ? ヤヨイ:無事にしていないといいけれど。 カンナヅキ:そうだな・・・っておい! とんでもないこと言うね! ヤヨイ:そうかしら。 ムツキ:あいつ、そろそろまずいんじゃないか。 出席が足りなくて、落第なんてことも・・。 カンナヅキ:それは大丈夫。 ちゃんとそういうことを計算してサボっているから。 ヤヨイ:ばっかみたい! キサラギ:ねえ、ヤヨイ、またオーガストに何かされたの。 何だか日に日にオーガストのこと嫌いになっていくみたい。 ヤヨイ:悪くて? キサラギ:悪くはないけど、友達として何だか寂しいよ。 ムツキ:そうそう。 ヤヨイ:・・・・・。 カンナヅキ:また泣かされたんじゃないか? ヤヨイ:まあ!二度とそのことは口にしないで頂戴!
メイ、登場。
キサラギ:あっ、メイ! メイ:おはよう。
一同、駆け寄る。
ヤヨイ:また私たちに何も知らせてくれないで! メイ:驚かせたかったのよ。 キサラギ:具合はよくなったの。 メイ:とても。 発作がやってくるまでの間隔がどんどん長くなっていってるの。 先生が、もしかしたら、もう治ってしまったかもしれないって。 キサラギ:本当!嬉しい! ヤヨイ:よかったね。 メイ:うん。 [軽くあたりを見回して]・・・・オーガストは? ムツキ:もう一週間近く学校に来ていないよ。 カンナヅキ:学校に来ていない日は何をやっているのかわからない! ヤヨイ:幸福な日々が続いているというわけ。 カンナヅキ:おい! メイ:そうなんだ。
担任教師、登場。
担任教師:おはよう。さあ、みんな席について!
生徒、席に着く。
担任教師:[メイに気がついて]おや、メイ君。 退院おめでとう。気分はどうですか。 メイ:ええ。とてもいいです、先生。 担任教師:それはよかった。 クラスのみんなも、君の事を心配していたんだよ。 お見舞いにいけなくてごめんね。 メイ:いえ。 先生が来たら気をつかってしまうもの。 担任教師:君が!あはは。 [オーガストの席を見て]・・オーガスト君は、また来ていないのか。 キサラギ:はい。 担任教師:困った奴だ。 今日は彼の追試の日だと言うのに。 ムツキ:追試!先生、あいつはそれを知っているんですか。 担任教師:先週からずっと言ってあったはずなんだが・・・。 覚えているだろうか? カンナヅキ:伝えたならちゃんと来ますよ。
オーガスト、登場。
オーガスト:ああ、久しぶりだ。 この教室の空気。 カンナヅキ:ほら。 オーガスト:この閉塞的で重苦しい空気! 担任教師:オーガスト君、席につきなさい。 オーガスト:やあ、先生。 言われなくてもそうしますよ。 担任教師:追試のテストは、お昼からだよ。 準備はできているかい。 オーガスト:昼!それならもっと寝ていればよかった! 担任教師:まあそう言わずに。 君が午前中に学校にいることはとても珍しいのだから。 オーガスト:不覚だね・・。
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第二場 同じく教室。
午後の授業の開始を知らせるベルが鳴る。
担任教師、登場。
担任教師:[オーガストの席を見て]おや、オーガスト君は? キサラギ:さっき帰りました。 担任教師:なんて子だ! カンナヅキ:追試の結果、どうだったんですか。 担任教師:満点・・。 まったく人を馬鹿にしているね! ムツキ:確かに嫌味な奴だ! 担任教師:やっぱりきつく言うべきなのだろうか・・。
メイ:・・・・。
[第三場へ]
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