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作品名:安倍首相はヒットラーなのか? 作者:カズロン

第12回   中立国アメリカ
第二次世界大戦前のアメリカ国内の情勢はどのようで有ったかと言うと、伝統的な孤立主義、所謂モンロー主義が主流だった。多くのアメリカ人は第一次大戦に参戦したのは間違いだったと考えていた。経済的には、第一次大戦時、イギリスの求めに応じて参戦したのに大恐慌後、イギリスは植民地をブロック化してアメリカの経済的参入を許さなかった事への不満があった。政治的にはヨーロッパの戦争に巻き込まれたくないと言う事から、1935年の中立法によって戦争当事国に武器等の戦略物資を売らないという方針を堅持していた。しかし、中立法は1937年の改定をへて徐々に侵略国には戦略物資を渡さないと言う方針に転換し、1939年の中立法は民主主義国を支援するという方向に変わっていって、中立の意味が無くなって行った。

それでもアメリカはヨーロッパの戦争には介入すべきではないと言う考えから参戦には消極的だった。アメリカ国内にもドイツ系市民を中心にナチスに傾倒する人々が存在していて、中立を守れという声が多かった。1941年6月にドイツが突然ソ連に侵攻したことはアメリカ大統領ルーズベルトに衝撃を与えた。もしヨーロッパとソ連がナチスドイツの手に渡れば世界の領土と人民の70%がナチスドイツとその同盟国の支配下に置かれるわけで、そうなったら、もうアメリカ一国では対抗できないと考えたからだ。1941年3月に作られたレンドリース法は兵器などの戦略物資をイギリスに供与するための法律だが、ルーズベルトはこれをソ連にも適用した。膨大な物資がソ連に送られ、ソ連軍勝利の要因となった。ルーズベルトがソ連を援助したのは敵の敵は味方だと言う論理からだが、彼が社会主義者だったからだと言う人もいる。ルーズベルトが社会主義者であったかどうかは分からないが、彼のスタッフにはそういった人たちがいた事は確かのようだ。


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