はじめに
第二次世界大戦前のヨーロッパの情勢を見て、現在のアジア情勢、世界情勢への教訓としたい。安倍首相はヒットラーなのか、はたまた日本のチャーチルなのか、当時の歴史を知って判断の一助としたい。合わせて当時の事件を描いた映画を紹介して当時の雰囲気を感じてもらえたらと思う。
ラパッロ条約
1922年イタリアのラパッロでドイツとソ連の経済協力協定が結ばれた。ドイツは第一次世界大戦の戦犯国として、ソ連は共産主義と言う異質な存在として世界から孤立していた。この両国が手を結ぶ事によって孤立からの脱却を図った訳である。これをラパッロ条約と言う。当時、ドイツ軍は、第一次世界大戦の敗戦の結果、航空機や戦車の所有、研究開発の禁止等、色々な制約を受けていた。この時、ドイツの軍部はソ連に協力を求め、ソ連領内で隠れて航空機の研究開発を行い、その技術情報を提供する見返りにパイロットの訓練場などの提供を受けた。また戦車の開発なども共同で行った。ソ連のトラクター工場で秘密裏にドイツの設計した戦車がドイツの為に作られたりしていた。また、ソ連軍将校の教育をドイツ軍が行ったりしていた。「スターリングラード」という映画の中でもソ連の狙撃兵の一人が、ドイツの狙撃学校に留学していたエピソードを話す場面がある。この関係はナチスが政権を取る1933年頃まで続いた。要するに、ナチスが急に再軍備をした訳ではない。ナチス政権が成立する前からソ連がドイツの再軍備に力を貸していたと言う事だ。
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