東京の妙様(奥様)にも結婚の報告をした。妙様から「おめでとう」と言う手紙と結婚祝いが届いた。妙様には毎年時候の挨拶はしていたが、この後、妙様は悩み事など何かにつけて相談できる母とも姉とも言えるような存在に成っていった。
別の手紙で、妙様は岸田俊子と言う人の演説を聞いて感銘を受けたと書いてきた。岸田俊子は男と女は平等だと説き、一夫一妻制を主張しているそうだ。また女が男と対等で有る為には女も学問をしなければ成らないと言っているそうだ。竹さんはその「岸田俊子という人の言う事は尤もだ」と妙様に書き送った。竹さんは岸田俊子が自分より1歳年上だけだと知って吃驚した。
【岸田俊子(中島湘煙)は京都の商家の出で、子供の頃から神童と言われていた。民間から初めて宮中に入り女官になった。その後自由民権運動に参加し、女権の拡張を主張した。自由党副総裁の中島信行の後妻になり中島湘煙と称した。彼女の演説は多くの女性に感銘を与えたと言う】
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