前回の作品と同じ素材を使ってこの作品を書いてみました。前回の作品について多くの方々から御批評を頂きました。有難う御座いました。
私は長く菓子を製造する仕事に就いていました。菓子の中には「こんな物が食えるか」と言われたものも有りました。10人中9人までが、そう言う意見の菓子でも1人が美味しいと言って30年も続いた商品も有ります。
100人が100人、「不味い」と言うならそれは本当に不味いのだと思います。しかし100人のうち90人が「不味い」と言っても、10人が「美味しい」と言えばその菓子は売り物になります。
作った自分さえも「不味いな」と思った物でも「こんなに美味しい菓子は無い」と言われたことも有ります。結局、美味いか、不味いかは食べる人の味覚の問題だろうと思います。小説も菓子に似ているような気がします。最も私の書いたものが小説と呼べるかどうかは分かりませんが・・・。
文章についてはこのような書き方しか出来ません。読者を唸らせるような美文で書きたいのですが、その才能が有りません。勉強するにも、先が無いので悪しからず。
前回の作品について友人から「何処までが実話か」と言う問い合わせが有りましたが、あくまでも前作の「ベージュのコート」も、今回の作品も、フィクションで有って登場人物等は実在の人物となんら関わりが無い事を申し添えます。
平成21年4月
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