Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0 Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/11138/11181/1.htm on line 4 あした晴れたら
20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:あした晴れたら 作者:なりた十緒子

第1回   1
楽しかったり嬉しかったり、そういう感情に鈍くなってしまった気がする。
心の底から思い切り笑ったのは、いつだっただろう・・・?



ふと目を覚ますと、クラスメイトの話し声が頭に入ってきた。6限目の授業が終わるころ寝てしまって、そのまま終わったようだ。あとはもうホームルームと掃除だけ。
久美は机のうえの教科書とノートを鞄にしまった。
先生が教室に入ってきてホームルームがはじまる。久美は寝起きの頭でボーっとしながら聞いていた。

「戸山さーん」

ホームルームが終わるとクラスメイトの西田知代が話しかけてきた。
色白で髪が長く、目もパッチリしていて、クラス内では可愛い子の部類だ。
久美とは同じ掃除の班だった。

「なに?」

彼女とはめったに話すことがなかったが、なんとなく話の内容を予想しながら答えた。

「今日さ、図書室の掃除当番だって知らなくて、別のクラスの子と約束しちゃったんだあ。掃除しといてくれる?」

満面の笑みで知代が言う。
知代の後ろには同じ掃除班の女子たちがいた。

「そんなの・・・一人でなんて無理よ」

こういう可愛い子ぶる女子が、久美は嫌いだった。見た目だけよいだけで、特別扱いされている。久美は知代を軽く睨んだ。

「だーいじょうぶ!じゃ、やっといてよ」

前髪が長めのせいか、久美の視線は知代は気づいていない。
知代はニコニコと笑顔のまま、さっさと教室から出ていった。

「・・・・・・」

中学3年生になって2か月くらい経つが、クラスには馴染んでいない。
いじめを受けているわけではないが、友達もいなかった。
小学生の時にうけた❝心の傷❞を思い出しかけて、すぐに記憶に蓋をする。
ガタン!と勢いよく、久美は席を立った。


次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 2207