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作品名:100年目の希望 作者:パンデミックデリタス

第11回   洗脳装置
グレート松本は、さらに続ける。
「つまり、国民の大半はテレビや新聞の情報に洗脳されてるってことだ。洗脳の方法はいくつもあるんだが、今の政府がマスコミを利用して行っている洗脳というのは、主に『情報の制限』と『信用の失墜』なんだ。たまに『情報の捏造』を行うこともあるが、その方法はリスクが高くなってしまうからあまりやらないんだ。報道以外の情報番組などでは結構やってるみたいだけどな。まぁとにかく、マスコミの洗脳によって重大な情報が隠蔽され、日本の国がおかれている本当の実態が国民たちに知らされていないんだ。事実を知らされていない国民は、どうして理不尽が蔓延する世の中になってしまったのかがわからなくなるんだ。そうなると、もういくら考えても答えが出なくて苦しくなるんだ。で、大抵の国民は自分の頭でものを考えることをやめてしまうんだ。そうして無能化した国民は、マスコミが流す情報を検証しようともせず、そのまま鵜のみにしてしまうようになるんだ。これで、洗脳は完了さ。あと、高齢者などは、若年層に比べるとまだ考えて投票しているが、日本の未来のためではなく、自分たちに都合のよい政党に投票してるに過ぎないんだ。高齢者というのは、孤独や死が怖くてたまらないっていうのが前提にあるんだ。だから、既得権益にしがみ付くことによって人への影響力や財力を持つことで孤独や死から逃れようとするんだ。でもそれは弱い人間がすることなんだ。強い人間は自分の死と向き合うことから逃げないし、徳があって魅力的なので孤独になることもないんだ。実は、この問題は悪党が『阿吽の呼吸』を作り出している原因に通じているんだ。まぁ、この問題はまたゆっくり話そう。つまりこの国には国の将来を本気で考えている国民なんてほとんどいないってことだ。そんな国民を作ったのが政府、官僚、財界、マスコミってわけさ。」

ミスターおくれはただただ納得するばかりだったが、気になった点があったので聞いてみた。
「ところで、政府、官僚、財界がマスコミを洗脳装置として利用していることはわかったんですが、それだけで、そこまでうまく国民を洗脳できるものなんでしょうか。」

グレート松本は、待ってましたと言わんばかりに、人差し指をミスターおくれの方に向けた。
「そうなんだよ。実はまだとっておきの洗脳装置があるんだ。『学校』さ。」


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