グレート松本はさらに話を続けた。 「マスコミを含めた権力組織についてもう少し詳しく話そう。アメリカの日本に対する圧制の理不尽や、資本主義と民主主義の欠陥を私利私欲のために悪用している権力組織というのは主に3つ存在する。政府、官僚、財界だ。そして、さらにその取り巻きとして、マスコミ、ヤクザ、宗教法人、各種圧力団体などがいるんだ。これらの権力組織がいかにして、私利私欲を満たしているのかを簡単に説明しよう。まず、政府というのは民主主義にのっとって、選挙で選ばれているんだ。選挙で選ばれたのだから国民を欺きようがないと思いがちだが、ここで力を発揮するのがマスコミだ。マスコミについて少し言及しておくと、マスコミというのは実は記者クラブのことだと思ってまず間違いないんだ。で、その記者クラブっていうのに加盟している新聞記者や報道局員だけに各団体から独占的に情報の提供を受けるシステムになっているんだよ。つまり、どういうことかというと、この記者クラブに加盟していない記者は政府、官僚、財界などの情報が提供されないようになってるんだ。記者というのは一般人のイメージだと、自分の足で愚直に情報を収集していると思われがちだが、実はそうなってないんだ。なぜ、そうなっていないかわかるか?楽してニュース作って儲けられるからなんだ。それは、政府、官僚、財界にとっても都合がいいんだよ。だってそうだろ、自分たちに都合の悪い情報は新聞記事にならないし、テレビのニュースで流れないんだから。でも、政府、官僚、財界にとって都合のいい情報しか流れないとなると、さすがの鈍感な国民でも何かおかしいんじゃないかって思うはずさ。そこでだ、政府、官僚、財界は、自分達の既得権益が損なわれない程度に、自らの組織の不正をマスコミにリークする場合があるんだ。それはどういう時かというと、自分たちの組織から正義を振りかざす裏切り者が出た時さ。国民の怒りを静めるためのいけにえとしてマスコミに報道をさせて、徹底的にその個人の信用を失墜させて世間的には悪人にしたてあげるんだ。」
「僕は、そのいけにえになった一人を知ってます。」 ミスターおくれはまたダイナマイト仙波さんことを思い出していた。
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