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作品名:100年目の希望 作者:パンデミックデリタス

第1回   ミスターおくれという男
ミスターおくれは節約家だ。でも、食事に関しては少々価格が高くてもなるべく素材の味を大切にする男だ。なので、「マクドナルド」ではなく「モスバー ガー」に行くし、「吉野家」ではなく「三河家」へ行く。ただ、友人と一緒にいる時は相手に合わせてマクドナルドや吉野家へも行く。ミスターおくれは柔軟性のある男だ。

また、ミスターおくれは非常に温厚な性格で滅多に腹を立てることがない。人に陰口を叩かれても何とも思わないし、人に蔑まれてもまったく気にしない。一度、渋谷のセンター街で輩にからまれてせっかく集まったお金をかつ上げされた時でさえ、「ふんふんふーん」と鼻歌を歌いながら10円くれ攻撃を続けた。しかし、そんな彼でも怒りをあらわにすることがある。自分以外の人が理不尽な理由で虐げられているのを知った時だ。例えば、ミスターおくれは「いじめ」を絶対に許さない。特に、大人社会でのいじめが嫌いだ。いじめっていうのは弱い奴がやることだ。本当に強い奴は自分より弱い奴などいじめない。おもしろくないからだ。強い奴は常に己に勝つことに興味があって、他人と争うことに興味がないのだ。ましてや、人を蹴落として競争に勝つことに一体どれだけの価 値があるというのだ。というのがミスターおくれの持論だ。

さて、この貯金をどう使えば社会のためになるだろうか。と思考しながらミスターおくれは今日もセンター街で10円くれ攻撃をしてまわる。


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