西暦2014年 日本国 某所 男は人生に絶望していた。株式で多額の借金、彼女に捨てられ、実家の会社も破綻、一部上場企業に努めていたが会社も倒産、悩んだ末自殺を決意し樹海に向かうが、樹海で、髭が生えた男に声をかけられる。 髭の男 「人生に絶望したのか、俺のところで働かないか?」 その男性はとある田舎で農作業員の募集をしていて、人生に絶望した人々を集め自分の広大な土地で町を作り人口を増やしているという。その町には医者や自警団、法律もあるが他の町と一切の交流がないので、借金取りなどに追われる心配ないそうだ。 俺はどうせ死ぬ位ならその男を信じてついていくことを決意した。止めてあったマイクロバスに乗り込む。奥に6人の男女、助手席に目つきのするどい男が乗っていた。皆どことなく暗い顔をしている。髭の男より説明があった。ひとつもう日本の社会には戻れないこと。ふたつ到着まで会話をしないこと。みっつこのふたつを破ったら死んでもらうこと。 しばらくしてバスが動き出した。高速に乗りしばらくして、ある事件が起こった一人の女性がやはり帰りたいと言い出したのだ。髭の男はにっこり笑うと「そうか、じゃあ死んでくれ」もう一人の男が電気ショックで女性を気絶させた。 髭の男「このバスの中はすでに違う国なのだ、この女性は法律を破った。万死に値する。のちの裁判で正式な判決を言い渡す。」と甲高く皆に言い放った。 全員、すでに青い顔がさらに青くなる。出発から10時間程たっただろうか。山道を抜けたところにそれはあった。検問所らしき建物が見えてきた。そこで全員おろされ、まず金属探知機にかけられる。携帯電話、刃物類はすべて没収された。次にシャワーを浴び医者に持病やアレルギー聞かれ、簡単な身体測定をやった。その後に髭が生えた男より法律について説明を受ける。基本的には日本の法律に、似ている。 違うところは、この国にはリーダーがいて絶対に逆らってはいけないという。リーダー以外の人と会話をする場合は許可を得るようにしゃべられた。しばらくして又バスに乗り込み奥へと入っていく。広大な畑と木造の建物が沢山ある所に到着した。比較的に建物の出入りは自由で一人一人に部屋と何着かの着替えを渡された。リーダーたる人物が出てきて、ニコニコしながら「何でも私にきいてくださいね」とやさしそうにしゃべってきた。俺は「お腹が減ったのですが」というと「あと一時間後に食事になるから待っていてくださいね」と言われた。その間、仕事の内容を簡単に説明された。男性は基本的に農作業を行い。女性は洗濯や食事を行うという。まるで江戸時代の生活のようだ。・・・・優秀な働きをするとリーダーになれるという。そして僕の第二の人生が始まった。
1ヶ月もすると仕事になれたが食事は味気ない、肉や酒は禁止、毎日野菜ばかりだ。牛はいるが牛乳のみ移動は馬車だ。賭博、タバコ、TV、恋愛も禁止されている。休みは雨の日のみ、病気や怪我をしたものは医者の診断を受けられ仕事も休める。異性の居住区は別れており接触も禁止されている。まるで監獄のようだがなぜか喧嘩もおきない。喧嘩の元になるような物もないし会話もないからであろうか。共同作業はリーダーから許可を得てリーダー監視の元、会話を行う。作業に必要のない会話を行った場合。リーダーから注意を受ける。注意を受けても尚会話をした場合は裁判を行うという。リーダーに逆らった罪は重罪だそうだが。ここしばらく逆らった人もいなくずっと裁判は行われていないそうだ。会話はほとんどリーダーのみなので仲がいい人はリーダーだけ、リーダーの名前は成田といい、やさしくて尊敬に値する人物だが、たまには他の人と会話をしたくなるものだ。・・・・
ここにきて半年がたった。社会と断絶してから欲望がなくなり、幸せさえ感じ始めていた。とある事件が起こった。一人行方不明になったのだ。深夜リーダー同士が集まり話し合っていた。担当のリーダーから行方不明者は病弱な親の心配をしていて。たぶん逃亡を計ったのだろうと。担当のリーダーは無線機で自警団へ逃亡の連絡をしていた。担当のリーダーは青ざめている。しばらくすると。ジープが一台停車した。逃走をした人物が血まみれで降りてきた。手には手錠がはめられている。検問所にいた髭の男も降りてきた。男は大きな声で「ただ今より裁判を行う。リーダーは全員集まれ。」全員が逃走犯を円で囲み地べたに座った。
髭の男 「この者は逃走を計った。死刑に値する。依存がある者は起立しろ」
血まみれの男 「いえ違うんです。散歩をしていたら道に迷ってしまって」
髭の男 「散歩だと・・・・水と食料をもってか・・・信じられないな」
血まみれの男 「ピクニック気分でしたので・・・」
髭の男性 「真夜中にピクニック気分で散歩だと・・・・」髭の男性の目が血走る。
担当のリーダー 「私の管理ミスです。この者は精神が不安定で親の心配をしていたのです。どうかお慈悲をたわむりたく存知ます。」
髭の男 「こ奴はもう日本に戻らないと誓ったのだ。私が自殺を救ったのだ。裏切り者に慈悲などいらぬ。死刑を宣告する。」
血まみれの男 「あああああ助けて、だれか助けて」 大きな斧が担当のリーダーに渡された。手が震えている。
髭の男性 「お前の責任だ、殺さなければお前も同罪だ。簡単には殺さんぞ。・・・」 銃を向ける。
担当のリーダー 「・・・・・南無阿弥陀仏・・・・・南無阿弥陀仏」 斧を捨て、目を閉じた。 その瞬間、成田がその斧で血まみれの男の首を一瞬の内に切り落とす。血が噴出した周りは血の海と化した。
成田 「担当のリーダーの手に余るようなので代わりに私が処刑しました。担当のリーダーは、リーダーとしての自覚が無いと思われるので、処刑よりも降格させ国へ貢献させるべきと思います。」
髭の男 「ふん、よけいなことを・・・まあいい、そのようにしろ。」
成田 「寛大なお慈悲に感謝いたします。」
髭の男が立ち去ると、成田と俺は遺体を袋に入れ墓地へ埋めにいった。成田「恨まないでくれよ。ああでもしないと担当のリーダーも殺されていただろう。」手を合わせ泣きながら本音をぼっそとこぼした。俺は、この時から国に疑問を抱くようになっていった。・・・・・
数日後、リーダーの欠員により新しいリーダーが選ばれることになった。しかしあの事件でリーダーの責任の重さを感じ希望者もなく成田の進めもあり、俺がリーダーになることとなった。
リーダーにも階級があり少リーダー(平民10人を統括) 中リーダー(平民100人、少リーダー10人を統括)、 大リーダー(全少中リーダーを統括) この上に自警団、国王(髭の男)総員約1000名という形になっている。もちろん俺は少リーダーだが来て半年で異例の出世だそうだ。Aリーダーも少リーダーとなる。俺の上司にあたる中リーダーは白髪の老人で無口であまりしゃべらず。成田に、ほとんどまかせている。昔、自警団にいて国王の右腕として働いていたそうだが、今はどこにでもいそうなしょぼくれた老人となっている。 リーダーになり解ったのだがこの国は国王居住区と男性居住区と女性居住区は別れているのだが、子供居住区もあるそうだ。中リーダー以上になれば結婚も可能で、女性の結婚希望者より相手を選ぶこともでき、結婚したら子供居住区で一緒に暮らすことができるが、この国の法律で女性は男性を選ぶ権利が無いので希望者はめったにでないそうだ。俺はリーダーとなり人と話す機会が増えいろんな質問や愚痴を聞くようになった。皆、元自殺志願者だったので精神的に弱いやつが多く気を使う、あまり強く言うと逃げ出したり自殺するかもしれない。処刑はごめんこうむりたい。中には放火魔や元大手倒産企業の役員だった奴もいる。ここにいる者は皆、何かしら過去に問題があるようだ。俺もあまり変わらないが。・・・
気がつくと2年が過ぎようとしていた。女性住居で事故が起こった木造の建物が老朽化で崩れたのだ。不幸中の幸いか怪我人がでなかった。国王の支持で復旧するよう支持があり俺のグループが禁断の女性居住区で働くこととなった。
部下A 「何年かぶりに女が見れる、へへ楽しみだ〜」
金田 「女性居住区では自警団立会いの元、作業を行う。淫らな行いをすると処罰の対象となる。肝に命じろ」
部下A 「わかってますよ〜、ちょとくらいいいじゃないかぶつぶつ・・・・」
成田が俺に耳打ちした。「部下から目を離すなよ、前に女性をレイプして処刑された奴もいる。レイプされた女性は自殺した。」 反吐がでるような話だ。女性居住区の門の前に着くと自警団が5人銃を持ち、待っていた。
金田 「少リーダーの金田です。復旧作業でまいりました」
北山 「女性居住区保安主任の北山だ。話は聞いている。着いて来い」
衝撃を受けた、その保安主任は美しい女性であった。俺より5〜6歳年下であろうか身長も170センチ程あり、しかも丹精な顔立ちでスレンダーなスタイルである。なぜか軍服と銃がすごくマッチしていた。よくみると自警団全員が女性である。自警団の一人が俺を睨めつけ銃を向けている。 やばい、北山主任に見とれていたのがばれたかな?
北山 「おまえの部下をなんとかしろ。怖がっている」 金田 「え?」 すぐとなりにいた部下Aが顔をニタニタしながら自警団を見ていた。部下Aの顔を引っ叩いた。
金田 「恥をかかせるな」
部下A「すみません。あまりにも可愛くて」
クスクスと自警団から笑い声が聞こえた。しかし銃を向けた女性は、笑わず銃を向けたままだ。
北山 「新藤、もう銃を下ろせ」
新藤はにらめつけたまま銃を下ろした。
新藤 「やはりこの者たちは信用できません」
北山 「もうその話はついただろう。それとも国王の命令に背くというのか!」 北山のその一言で新藤は涙目になりうつむいた。やはり女性だ。
北山 「新藤と自警団Aは、このまま南口で待機!自警団Bはこの集団の前方、自警団Cは後方着け私は中間地点に着く!」北山の号令の元、俺は複雑な心境を胸に女性居住区へ向かうのであった。・・・・・・
第一章 新しい生活 完
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