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作品名:あの頃へ 作者:こまち

第99回   99
「あ・・ども、こんにちは。」

・・・この笑顔・・・一緒だ。

「中一ん時の友達の山田 智子さん。同じ暁中だよ。」
美樹が、木村先輩・・・いや、ダンナさんにあたしを紹介した。
「そうなんだ?へ〜・・・」
そう言いながら、ダンナさんはあたしに目をやった。

・・・――っ・・・

あまりにも、見入ってしまっていた事を恥ずかしく思い、ペコリっと頭を下げた。

「いいのあったの?」
「あ〜・・・まぁ、あるにはあったけど・・・結局手は出せねーな。」

夫婦である二人の会話が繰り広げられる。

・・・・・・やっぱり・・・この状況をすぐ受け入れる事ができない。
偶然にしては、おかしすぎる。

美加さんのこと。
木村先輩のこと。
そして、この二人が夫婦だということ。

今のあたしには、初耳、初対面に近いもんがあるのに・・・。
・・・正夢?
そう一言で済ますのも、納得がいかなかった。

「ねぇねぇ、はやくいこうよぅ。おとまりのようい〜っ!」
食べるもの食べて、満足したのぞみちゃんが、美樹に抱きついてきた。
「あ〜、はいはい、わかったから・・・」

「・・・あ・・・じゃあ、あたしもそろそろ・・・」
伝票を持ち席を立つ。
「ごめんね、なんか誘ったほどゆっくりできなくって・・・」
美樹が申し訳なさそうに席を立った。
「ううんっ・・・そんなことないよ。こうして会えただけでも・・・っ」
「・・・あたしも。」
後がつまったあたしに対し、美樹がニッコリ笑ってくれた。

会計を済ませ、店を出る。
ダンナさんはのぞみちゃんを抱っこして先へ進んでいた。

「じゃあ・・・ね。」
美樹が声をかけた。
「・・・うん・・・」
そして、美樹が二人の元へ歩きだした。

・・・・・・
・・・・・・っ


「――美樹っ・・・!」


「――っ・・・なに!?」

あたしの呼び止めた声が、思ったより大きくなってしまったせいか、美樹は驚いて振り返った。


「あのさっ・・・いまさら、こんなこと言うの・・・遅いし、嫌だろうけど・・・っ」
「・・・・・・」
「・・・・・・――ごめんねっ・・・中学ん時・・・ごめんねっ・・・」
「・・・・・・」
黙ったまま、美樹はこっちに戻ってきてくれた。

「・・・・・・」
「・・・ありがと。」

―――っ!!

「・・・気にかけてくれてて・・・ありがと。」

やっぱり美樹は・・・あたしのことを許してくれた。
17年も経ってからなのに・・・許してくれた。

それから、携帯番号を交換し、こんど美樹の家に遊びに来るよう誘われた。
だから、きょんちゃんのことも話し、二人でお邪魔するという事を約束した。
美樹は、きょんちゃんの名前を聞くと、懐かしそうに笑っていた。



美樹の家族と別れ・・・ある決意をした。

家に帰ると、即効自分の部屋へと向かう。
そして、片手にボールペンを持ち・・・机の上のハガキに丸をふる。

同窓会・・・行ってみよう・・・!
すべては、このモヤモヤは・・・行けば解決するかも・・・っ

そして・・・ちいさな期待もしていた。


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