はぁはぁ・・・しんど・・・ この歳でこんなに体力消耗すると一日もたないんですけど・・・ ・・・って、体も13歳のはずか・・・ 気持ちが負けてんだな・・・はぁ〜・・・
なんとか遅刻せずに学校に到着した。 駐輪場はすでに満杯だ。 田舎の学校で、町に一つしかない中学校だから、外れに住んでる人にとって自転車は有効手段だ。 あたしの家は遠すぎず、近すぎず、といったところで、徒歩にしてはきついという事で、自転車の許可がおりてる。 誰でも乗っていい訳ではなかった。
どこ止めよう・・・ 入れそうなスペースを探していた。
・・・あ、あそこ・・・ やっと見つけた場所へ自転車を押していく。 ・・・とその時目指していた場所を後からきた男の子にスッと追い抜かれ駐輪された。
ちょっ−−!! 「ちょっと!!」
「・・・は?」
自転車の鍵を抜いて行こうとしたその子は、呼んだあたしの方を向いた。
・・・ん? こいつ・・・見たことある・・・っとそれより、
「そこあたしが止めようとしてたんだけど。」 首でその場所を指し示した。
「・・・・・・」 無言であたしを見ているだけだ。
「後から来たくせに横どりしないでよ。あたし止めるとこないじゃん。」 「・・・・・・」 その子は辺りをチラッと見渡した。
「早くっ、どいてよっ!!」
「・・・ノロノロしてるからじゃん。早いもん勝ちだよ。」 その男の子は悪びれることもなく、げた箱の方へ足を進めた。
・・・はぁ? ・・・何このクソガキ!!
「ちょっ、待ちなさいって・・・」 あたしは自転車の支えを立てて、追いかけようとした。 それがわかるとそいつは、ため息をついて振り向いた。
「・・・なんだよ、おまえオバタリアン!?」
・・・お、オバ・・・タリアン・・・? その言葉に固まってしまった。
なに・・・言ってんの? ・・・こいつ・・・今時オバタリアン・・・なんて・・・
「っていうかさ・・・山田ってそんなキャラだったっけ?」
ん・・・こいつあたしのこと知ってる・・・
「・・・それとも今日アレの日か?機嫌悪いからってあたんなよ。」 そう言い放つと元の方へ歩き出した。
・・・・・・ な・・・なに、あいつ・・・アレの日って・・・っっガキのくせに生意気な〜〜〜!!
・・・はっ、思い出した!!
あいつ、松井リョーマだ・・・そうだ・・・松井・・・くんだ。 あの偉そうな態度見覚えがある。 あの時のまんまじゃん。 ってそうか・・・今はそのあの時なんだよな・・・
彼、松井リョーマとの中学での思い出はこれといって何もない。 あたしと関わることもなったし、クラスだって同じになったことないし、全然過ごす世界が違った・・・という感じだ。 今で言う(あたしにとって)イケメンに部類し、クラスの人気者。 部活もサッカー部で上級生からも下級生からも慕われていた。 決して騒いでるというタイプではなく、ちょっと大人びているというか、上から目線で物事をいうところが、先生からしたら生意気なんて言われてた事もあった。 彼の事は友達の誰かが必ず好きになってたから、常に情報という意味ではよく耳にしていた。
久しぶりに会ったのが松井君なんて・・・ついてないなぁ。 正直あたしは苦手とするタイプだった。 松井君に限らず、あたしは人気者が苦手だった。 おまけに容姿までいいとなると余計に駄目だ。 今までつきあってきた人たちも、決して顔がいいという人はいなかった。 自分の容姿に自信ないのはもちろんのこと、そんな完璧みたいな人と関わるのはすごい気を使って疲れそうだからだ。 自分もその人に合わせなくちゃ、みたいに感じてた。
キーンコーンカーン・・・ チャイムが鳴った。
・・・あぁ、なつかし・・・−−っじゃなくて、急がなきゃ!!
仕方なく自転車を駐輪場からはみ出した形に止めた。
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