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作品名:あの頃へ 作者:こまち

第100回   100

同窓会当日―――

一人で乗り込むのは少し怖くて、きょんちゃんと待ち合わせしてタクシーで会場へと足を運ぶ。
きょんちゃんと会うのも、あの日以来だ。

会場の入口で、幹事の人が受付をしていた。
その幹事の中には、まどか夫妻がいた。

まどかは、中学の時からつきあった男の子とそのままゴールインし、3人の子供は今日は、ご両親に預けてきたみたい。

「久しぶり〜っ!!やっぱり、智子ときょんちゃんは一緒に来たね〜っ。」
「まぁね〜・・・だって、怖いじゃん・・・お宅どなたって言われたら?」
「きゃはははは〜っ、大丈夫大丈夫っ!」
中学の時と同じようなテンションで会話が繰り広げられる。

まどかは、やっぱり変わってない。
同じ町に住んでても、なかなか会う機会ってないもんなぁ。
前に会ったのは、たまたまスーパーに買い物に行って、まどかと子供に遭遇はしたけど・・・。
あたし自体が、普段スーパー行かないから、それっきりだった。

それに・・・やっぱり、家族がいるのとそうでないのでは、会話の内容もずれてきてしまう。
どうしても子供がいると、それが中心になってしまうみたい。
中学の友達に限らず、全般の友達にいえることだ。

受付を済ませ、宴会場となる広間へ入る。
まだ半数も来ていないのか、席はまばらに空いていた。

きょんちゃんが隣で、「あっ・・・森さん・・・中村君・・・」と見つけた顔すべての人の名前を口ずさんでいた。

緊張しながら、あたしも周りを見渡す。

・・・・・・まだ・・・目当ての人はいなかった。
そもそも・・・同窓会、来るんだろうか?
みんながみんな出席するわけじゃないし・・・

「あ〜っ、きょんちゃんっ!智子っ!」
そんなことを考えていると、後ろから誰かが走ってきた。
「・・・あ〜・・・弘子〜っ、久しぶり〜っ!!」
きょんちゃんが笑顔で手を振る。

―――っ・・・弘子・・・北田 弘子だ。
・・・夢の中で、大喧嘩した・・・いや、一方的にあたしが文句を言った相手の、弘子だ・・・

「久しぶり〜っ、成人式以来だよね〜っ、うわ〜、二人とも変わってな〜い。」
「ほんとほんと。10年振りだね〜。弘子も変わってな〜い、ねぇ、智子。」

やっぱりあたしは、あの夢を現実と勘違いしてしまい、弘子に対してすごく顔向けできない気持ちになってしまってた。

「・・・智子?」
反応のないあたしにきょんちゃんが再度呼びかけた。
「・・・――えっ・・・あ〜・・・うん、そうだね。」
とりあえず、普通に接する。
「んもうっ、智子ってば〜・・・あっ・・・もしかして、あたしのこと忘れてたとか〜!?」
弘子も、あの頃と変わらない口調で突っ込んでくる。
「――ちがうよっ・・・ただ・・・ほんと久しぶりすぎて・・・言葉が詰まっただけ・・・」
「またまた〜っ、まぁ、感動の再会だしねっ。しょうがないか。」
弘子は笑いながらそう言って、また違うメンバーのところへと話しかけに行った。

もし、あの夢のとおりだったら・・・弘子はこうして久しぶりにあたしと再会しても、声をかけてたのかな?

そんなくだらない事を考えてしまった。


そして、時間が過ぎる度、どんどん席が埋まっていく。
とりあえずは、好きな所へ腰を掛けていいみたいで、きょんちゃんにまどか、なっちゃん、そして、ひとみとも再会し、同じ丸テーブルに座った。

ふと、入口付近が騒がしくなる。
そのことで、視線を向けると・・・男の人数人が、大爆笑しながら入ってきた。



―――っ・・・・・・ケンちゃんと田口君だ・・・



すぐにはわからなかったけど・・・でも、話している仕草とか雰囲気が、まるで変わってなかった。
他にも数名いるが、この二人はやっぱり目立っていた。

周りのみんなも、この二人の名前を口ずさむ。
クラスのムードメーカーがやってきた・・・そんな視線を浴びていた。

そして3年の担任の先生が2人出席され、挨拶をし、幹事の乾杯の音頭で、開催された。

最初のうちは、みんなそれぞれ余所余所しかった。
会話の流れも、社会人としてから始まっていた。

が・・・1時間経った頃、酒の力もあってそこは、居酒屋と化していた。
元の席のメンバーは、バラバラになっていた。
きょんちゃんとだけは離れずに座っていたが、立ち替わり入れ替わり、いろんな人が話し掛けてくる。

だいたいが、結婚してるか否か。
仕事は何か?
どこに住んでるか?

近況報告会となっていた。

きょんちゃんは当たり前のように、見る人見る人を、懐かしく、所々思い出すかのように話していたけど、あたしは・・・ついこの間のことのように感じて仕方がなかった。


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