同窓会当日―――
一人で乗り込むのは少し怖くて、きょんちゃんと待ち合わせしてタクシーで会場へと足を運ぶ。 きょんちゃんと会うのも、あの日以来だ。
会場の入口で、幹事の人が受付をしていた。 その幹事の中には、まどか夫妻がいた。
まどかは、中学の時からつきあった男の子とそのままゴールインし、3人の子供は今日は、ご両親に預けてきたみたい。
「久しぶり〜っ!!やっぱり、智子ときょんちゃんは一緒に来たね〜っ。」 「まぁね〜・・・だって、怖いじゃん・・・お宅どなたって言われたら?」 「きゃはははは〜っ、大丈夫大丈夫っ!」 中学の時と同じようなテンションで会話が繰り広げられる。
まどかは、やっぱり変わってない。 同じ町に住んでても、なかなか会う機会ってないもんなぁ。 前に会ったのは、たまたまスーパーに買い物に行って、まどかと子供に遭遇はしたけど・・・。 あたし自体が、普段スーパー行かないから、それっきりだった。
それに・・・やっぱり、家族がいるのとそうでないのでは、会話の内容もずれてきてしまう。 どうしても子供がいると、それが中心になってしまうみたい。 中学の友達に限らず、全般の友達にいえることだ。
受付を済ませ、宴会場となる広間へ入る。 まだ半数も来ていないのか、席はまばらに空いていた。
きょんちゃんが隣で、「あっ・・・森さん・・・中村君・・・」と見つけた顔すべての人の名前を口ずさんでいた。
緊張しながら、あたしも周りを見渡す。
・・・・・・まだ・・・目当ての人はいなかった。 そもそも・・・同窓会、来るんだろうか? みんながみんな出席するわけじゃないし・・・
「あ〜っ、きょんちゃんっ!智子っ!」 そんなことを考えていると、後ろから誰かが走ってきた。 「・・・あ〜・・・弘子〜っ、久しぶり〜っ!!」 きょんちゃんが笑顔で手を振る。
―――っ・・・弘子・・・北田 弘子だ。 ・・・夢の中で、大喧嘩した・・・いや、一方的にあたしが文句を言った相手の、弘子だ・・・
「久しぶり〜っ、成人式以来だよね〜っ、うわ〜、二人とも変わってな〜い。」 「ほんとほんと。10年振りだね〜。弘子も変わってな〜い、ねぇ、智子。」
やっぱりあたしは、あの夢を現実と勘違いしてしまい、弘子に対してすごく顔向けできない気持ちになってしまってた。
「・・・智子?」 反応のないあたしにきょんちゃんが再度呼びかけた。 「・・・――えっ・・・あ〜・・・うん、そうだね。」 とりあえず、普通に接する。 「んもうっ、智子ってば〜・・・あっ・・・もしかして、あたしのこと忘れてたとか〜!?」 弘子も、あの頃と変わらない口調で突っ込んでくる。 「――ちがうよっ・・・ただ・・・ほんと久しぶりすぎて・・・言葉が詰まっただけ・・・」 「またまた〜っ、まぁ、感動の再会だしねっ。しょうがないか。」 弘子は笑いながらそう言って、また違うメンバーのところへと話しかけに行った。
もし、あの夢のとおりだったら・・・弘子はこうして久しぶりにあたしと再会しても、声をかけてたのかな?
そんなくだらない事を考えてしまった。
そして、時間が過ぎる度、どんどん席が埋まっていく。 とりあえずは、好きな所へ腰を掛けていいみたいで、きょんちゃんにまどか、なっちゃん、そして、ひとみとも再会し、同じ丸テーブルに座った。
ふと、入口付近が騒がしくなる。 そのことで、視線を向けると・・・男の人数人が、大爆笑しながら入ってきた。
―――っ・・・・・・ケンちゃんと田口君だ・・・
すぐにはわからなかったけど・・・でも、話している仕草とか雰囲気が、まるで変わってなかった。 他にも数名いるが、この二人はやっぱり目立っていた。
周りのみんなも、この二人の名前を口ずさむ。 クラスのムードメーカーがやってきた・・・そんな視線を浴びていた。
そして3年の担任の先生が2人出席され、挨拶をし、幹事の乾杯の音頭で、開催された。
最初のうちは、みんなそれぞれ余所余所しかった。 会話の流れも、社会人としてから始まっていた。
が・・・1時間経った頃、酒の力もあってそこは、居酒屋と化していた。 元の席のメンバーは、バラバラになっていた。 きょんちゃんとだけは離れずに座っていたが、立ち替わり入れ替わり、いろんな人が話し掛けてくる。
だいたいが、結婚してるか否か。 仕事は何か? どこに住んでるか?
近況報告会となっていた。
きょんちゃんは当たり前のように、見る人見る人を、懐かしく、所々思い出すかのように話していたけど、あたしは・・・ついこの間のことのように感じて仕方がなかった。
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