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作品名:星のお姫さま 作者:綾瀬 樹

第7回   花梨の皮肉
「ママ、ありがとう!楽しかったよ。またね」

美由紀と実家の前で別れる時に、こんな事を言われた。

せめて正月くらい一緒にいてやりたいのだが、サユリの仕事

は年中無休の仕事だ。

サユリはマンションに戻った。花梨とももがテレビを観ていた。

サユリはこのマンションに戻って花梨やももと会うと、不思議

と元気になるのだ。

「おかえり、サユリさん。楽しかった?」とももが笑顔で言った。

「うん。楽しかったよ。ありがとね!ももちゃん」

「何?何?この雰囲気?」 花梨が口を挟む。

「なんでもないよ!ももちゃんにお年玉もらったの」

「え〜〜〜〜!私にもちょうだいよ〜〜」とオカマバーで働い

ている時と同じテンションで花梨がももにねだった。

「あははは。なんかこの感じ久しぶりだね」とももが言った。

「最近、花梨のお店にも行ってないしな。ね!麗ママは元気

なの?」とサユリが花梨に聞いてみた。

「元気よ。ママも会いたがっていたから今度お店にいらっしゃ

いよ」

「じゃあさ、正月明けて落ち着いたら花梨の店で新年会やらない?」

そんな話から新年会をする事が決まる。

サユリとももと花梨の会話はいつでもこんな感じだ。

これといった話題がなくても、なんとなく完結してしまう。そして

尽きることもないのだ。

この3人は花梨が働いているオカマバーで知り合って今に

至っている。

「本当に昨日の事のように思い出すね。あの日の事」

サユリも懐かしんでいた。

「そうよね・・・。あんた達は、男運ないからね」と花梨が皮肉

った。

その言葉を聞いた2人が声をそろえて言った。

「うるさ〜い!」


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