20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:星のお姫さま 作者:綾瀬 樹

第4回   花梨のキムチ鍋
「花梨のキムチ鍋って本当に美味しいね」

サユリは鍋に舌鼓を打っていた。

「サユリちゃ〜んは明日、どうするの?」

「明日は実家に行って子供と初詣でも行こうかな?って思って

るよ」

「そうだよね。一応ママだもんね」 花梨がちょっと皮肉っぽく言

った。

「なによ!一応って」サユリも少し怒った感じで返事を返した。

「冗談よ!サユリちゃ〜んが子供の事を愛しているのは、誰よ

りもアタシが知っているわ」

「私も知っているわ。花梨が毎日髭を剃っているのを」

「も〜。サユリちゃ〜んったら。その事は言わないで」

「ゴメン。ゴメン」

こんな何気ない会話のやりとりがサユリにとって心地いいので

ある。普段店で働いていると絶対に得る事のできない気持ち

だ。

「美味しかったわ。ごちそうさま。シャワー浴びるね」

そして、サユリはシャワーを浴びながらひとりでつぶやいた。

「この生活も今年限りかな?」と。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 1394