コレはオリジナルで使用しなかったラストです。 完結のチェックを忘れてしまった為に、完結できませんでした。 やむなく、使用しなかったラストを載せます。
【エピローグ】
私は二つの大切な物を同時に失った。 親友である月島兎瞳と、彼女の為に偽装彼女を演じた相川哲。 私は何時の間にか……。 たぶん、もう哲には会わないだろう。 兎瞳がいなくなったらそう決めていた。 兎瞳の為に付き合った男は、兎瞳と共に葬らなければならない。 私の初めての男は、兎瞳にとっての初めての男。 私は葬儀の終わった夜、夏期講習の申し込みの事を無理に考えたりした。 後期の申し込みなら、まだ間に合うだろう。 それでも勝手に頬を涙が伝う。 堪えきれなくなって、浴槽に浸かったまま声を押し殺して泣いた。 声が零れそうで、両手で顔を覆ったけど、それでも嗚咽が止まらなかった。 湯船に顔の半分をつけると嗚咽は収まったけど、息が零れるたびに湯面がぶくぶくと泡立った。 さよなら。 私の愛したふたり……。
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