中央アフリカ西部の砂漠のど真ん中に、人類の科学技術・芸術・文化の粋を集めた都市を建設するという壮大な野望に満ちた計画が実施された。
都市の名は「ルジウェイ」、周長約86.6kmの円内に建設されており、その概観は中央に周長約21.6kmのコアサークル、さらにその外側には周長約43.3kmセンターサークル、そして都市の境界線であるアウトサークルと大きく3つのサークルに分かれており各サークルには、幅100mの緑地帯そしてその内側には幅80mの水路、さらにその内側には片側4車線の道路で構成されておりさながら中世の城塞都市を思わせる構成である。
そして各サークルを結びつけるように東西南北に片側4車線の幹線道路とその横に幅40mの水路が各サークルを構成する水路と連結されている。
コアサークル内には主に都市ルジウェイの行政機関等の主要施設、センターサークル内には研究施設や商業用施設そして住宅等、アウトサークル内には農業施設や工業施設等がそれぞれ配置されている。
圧巻はルジウェイを取り囲むセンターサークルの緑地帯、地下100mには巨大な加速器のトンネルが作られており大型加速器が設置されていることである、無論世界最大の大型加速器である。世界中の物理学者がその運用を今か今かと待ちかねている状態であった。
しかし現在いのルジウェイに暗い影を落としているのが、ルジウェイの提唱者及びルジウェイの最高評議委員会の委員長である、フィンレード・アーモンド・バーンが行方不明となってしまったことである。
既に何の手掛かりも無く、早半年は過ぎようとしていた。
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