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作品名:自分が男でなくなる瞬間 作者:藤田

最終回   最終回 ゴールデン・マルチの醍醐味 
 最終回 ゴールデン・マルチの醍醐味 


○ 羽村堰
  玉川上水に沿って展開される桜並木の桜は満開になっている。
  桜の古木の枝が垂れ下がり地面すれすれでそよ風に揺れている。
○ 花園家の応接室
  かなり広いスペースの応接室の奥は乳白色の絹を張った衝立で仕切られ、
書斎になっている。
  応接室の表ドアを開けると豪華な応接セットが配置されている。  
  花園は絹張りの衝立の奥のデスクに向かっている。
「たしか前回は、第7節でワンステップからツーステップを経てスリース
テップまで読み込んだはずだ。そうすると藤原君の著書も終焉(しゅうえん)を
迎えることになるかもしれない。どれ」
 花園弁護士は藤原教授の著書を開き栞を摘まみ、ページを開いて読み始めた。
 
   # 藤原教授の著書 #

       ◇ ゴールデン・マルチオーガズムの醍醐味 ◇

 この章を完了するにあたり、[ゴールデン・マルチオーガズムの醍醐味]を
リプレーしておくことにする。

☆ 前戯行為 ☆
  [シングル型性行動]における基本姿勢をとる(前述参照)。
  左右の手首を下腹部の臍の両脇に宛がい[大気]にへばりつける姿勢になる。
  腰を使って[大気]にへばりつきながら下腹部の臍の両脇に宛がった左右の手首
 で左右の脇腹から[左右の乳首]にかけてソフトに撫であげてゆく。
  するとパートナーと抱擁しあったときのようなソフトな快感が全身を走り抜け
 る。ここで左右の手首は下腹部の臍の脇の元の位置にもどしておく。
  このパターンでソフトな愛撫行為を繰り返してゆく。
  このパターンで愛撫行為を繰り返してゆくうちに性感は高まり、ペニスは勃起
 し、クリトリスも勃起してくる。
  さらに愛撫行為を積み重ねてゆけば、ペニスの亀頭部は[カウバー腺]から分泌
 された分泌液によって滑らかになってくるし、大陰唇や小陰唇も膨らみ、クリト
 リスも、いっそう膨張して、ヴァギナは愛液により潤滑となってくる。
  このパターンの愛撫行為を30回から50回ほど反復してゆけば、性感は昂進
 してゆき、[前戯行為]としては充分な性的シチュエーションになることが、モニ
 ターの実験例により実証されている。
  尤も、この点については、個人差があることを指摘しておく。

☆ 本番の[体位A型]の性感を満喫 ☆
  まず[体位A型]からはじめる。
  左右の手首を左右の[乳首の斜め下]に宛がい、腰を使って[大気]にへばりつく。
   これで[真正ペニス]は、[疑似ヴァギナ]に挿入されたし、[真正ヴァギナ]
には[疑似エアーペニス]が挿入され、[真正ヴァギナ]は[疑似エアーペニス]を
食い縛ったことになる。
  ここで左右の手首は左右の[乳首の斜め下]の元の位置にもどしておく。
  ここからはピストン運動にはいる。左右の[乳首の斜め下]に宛がった左右の手首
 で左右の[乳首の真正面]から[乳首の上部]に向けてソフトに擦りあげながら、腰を
 使ってぐいと[大気]いへばりつくと[とん]と1回の性感が走るのでこの快感をかぞ
 えたところで腰をひけば、[トン]と1回の快感が反復される。ここで腰をひき左右
 の手首は左右の[乳首の斜め下]の元の位置にもどしておく。
  これが[体位A型]における[1拍子]のピストン運動である。
  このような[1拍子]のピストン運動とおなじパターンで[2拍子]から[3拍子]へ、
 そして[4拍子]・[5拍子]・[6拍子]・[7拍子]・[8拍子]・[9拍子]とピストン
 運動を積み重ねてゆけばよい。
  最後に[10拍子]のピストン運動にはいる。
  左右の[乳首の斜め下]に宛がった左右の手首で左右の[真正面]から左右の[乳首の
 上部]に向かいソフトに擦りあげなげながら腰を使い、ぐいと[大気]にはばりつけば
 [とん、とん、とん・・・・]と10回の快感がはしる。この快感を数えたところで
 腰をひけば[トン、トン、トン・・・・]と10回の快感が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は左右の[乳首の斜め下]の元の位置にもどしておく。
  ここまでくれば性感はかなり昂進しているはずである。
  その性感を急テンポで昂進させるため、ここでピストン運動を[4拍子]に転換する。
 左右の手首を左右の[乳首の斜め下]から[乳首の真正面]ないし[乳首の上部]に向けて
 擦りあげながら腰を使ってぐいと[大気]にへばりつけば[とん、とん、とん、とん]と
 4回の快感がはしる。この快感を味わったところで腰をひけば[トン、トン、トン、
 トン]と4回の快感が反復される。ここで腰をひき、左右の手首は[乳首の斜め下]の
 元の位置にもどしておく。
  このパターンで[4拍子]のピストン運動を反復してゆけば性感は急テンポで昂進し
 てゆく。
  ここで性感の昂進に拍車をかけるため、ピストン運動を[3拍子]に切り替える。
左右の[乳首の斜め下]宛がった左右の手首で左右の[乳首の真正面]から[乳首の上
 部]に向けて擦りあげながら、ぐいと[大気]にへばりつき、[とん、とん、とん]と
 3回の快感を数えたところで腰をひけば、[トン、トン、トン]と3回の快感が反復
 される。ここで左右の手首は左右の[乳首の斜め下]の元の位置にもどしておく。
  この[3拍子]のピストン運動を繰り返してゆけば性感はさらに急テンポで昂進して
 ゆく。
  ここで昂進してきた性感に追い打ちをかけるため、ピストン運動を[2拍子]に切り
 替え、さらに[1拍子]に転換する。この[1拍子]のピストン運動を急テンポですすめ
 れば、[もう、たまらない]という性的快感のシチュエーションになる。
  この階梯が[ゴールド・マルチオーガズム]への九号目である。絶頂は目前に迫った。
 そこで左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から左右の[乳首の真正面]ないし[乳首の上
 部]]に向けて力強く擦りあげる。その瞬間、下腹部は痙攣し[ゴールド・マルチオーガ
 ズム]の絶頂に達することができる。
  ここで左右の手首で左右の[乳首の斜め下]を押えたままにしていれば、[ゴールド・
 マルチオーガズム]はいつまでも継続される。これはモニターによる実験例で実証され
 ている。そのうえそのときの性感に変化をもたらせるテクニックも解明されている。
  そのテクニックは、左右の[乳首の斜め下]を押えつづけていた左右の手首を左右の
 [乳首の両脇]に移動し、ソフトに[乳首の真正面]に向けて撫であげると、これまで強烈
 だった性感はソフトな快感に変化してくる。
  この手法により、同一のチャンスに質的に異なる2種類のオーガズムを満喫すること
 ができる。

☆ 本番の[体位B型]の性感を満喫 ☆ 
  体位A型に固有の性感が消え去らないうちに[体位B型]の性感をこれにオーバーラッ
 プさせてW快感を味わってみよう。
  左右の手首を左右の[乳首の両脇]に宛がい、腰を使って[大気]にへばりつく。
   これで[真正ペニス]は、[疑似ヴァギナ]に挿入さてたし、[真正ヴァギナ]
には[疑似エアーペニス]が挿入され、[真正ヴァギナ]は[疑似エアーペニス]を
食い縛ったことになる。
  ここで左右の手首は左右の[乳首の両脇]の元の位置にもどしておく。
  ここからはピストン運動にはいる。左右の[乳首の両脇]に宛がった左右の手首
 で左右の[乳首の斜め下]から[乳首の真正面]に向けてソフトに擦りあげながら、腰を
 使ってぐいと[大気]いへばりつくと[とん]と1回の性感が走るのでこの快感をかぞ
 えたところで腰をひけば、[トン]と1回の快感が反復される。ここで腰をひき左右
 の手首は左右の[乳首の両脇]の元の位置にもどしておく。
  これが[体位B型]における[1拍子]のピストン運動である。
  このような[1拍子]のピストン運動とおなじパターンで[2拍子]から[3拍子]へ、
 そして[4拍子]・[5拍子]・[6拍子]・[7拍子]・[8拍子]・[9拍子]とピストン
 運動を積み重ねてゆけばよい。
  最後に[10拍子]のピストン運動にはいる。
  左右の[乳首の両脇]に宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から左右の[乳
 首の真正面]に向かいソフトに擦りあげなげながら腰を使い、ぐいと[大気]にはばりつ
 けば[とん、とん、とん・・・・]と10回の快感がはしる。この快感を数えたところで
 腰をひけば[トン、トン、トン・・・・]と10回の快感が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は左右の[乳首の斜め下]の元の位置にもどしておく。
  ここまでくれば性感はかなり昂進しているはずである。
  その性感を急テンポで昂進させるために、ここでピストン運動を[4拍子]に転換
 する。左右の手首を左右の[乳首の両脇]から[乳首の斜め下]ないし[乳首の真正面]
 に向けて擦りあげながら腰を使ってぐいと[大気]にへばりつけば[とん、とん、とん、
 とん]と4回の快感がはしる。この快感を味わったところで腰をひけば[トン、トン、
 トン、トン]と4回の快感が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は[乳首の両脇]の元の位置にもどしておく。
  このパターンで[4拍子]のピストン運動を反復してゆけば性感は急テンポで昂
 進してゆく。
  ここで性感の昂進に拍車をかけるため、ピストン運動を[3拍子]に切り替える。
左右の[乳首の両脇]に宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から[乳首の
 真正面]に向けて擦りあげながら、ぐいと[大気]にへばりつき[とん、とん、とん]
 と3回の快感を数えたところで腰をひけば、[トン、トン、トン]と3回の快感が
 反復される。ここで左右の手首は左右の[乳首の両脇]の元の位置にもどしておく。
  この[3拍子]のピストン運動を繰り返してゆけば性感はさらに急テンポで昂進
 してゆく。
  ここで昂進してきた性感に追い打ちをかけるため、ピストン運動を[2拍子]に
 切り替え、さらに[1拍子]に転換する。この[1拍子]のピストン運動を急テンポ
 ですすめれば、[もう、たまらない]という性的快感のシチュエーションになる。
  この階梯が[ゴールド・マルチオーガズム]への九号目である。
  絶頂は目前に迫った。そこで左右の手首で左右の[乳首の両脇]から左右の[乳首
 の斜め下]ないし[乳首の真正面]に向けて力強く擦りあげる。その瞬間、下腹部は
 痙攣し[ゴールド・マルチオーガズム]の絶頂に達することができる。
  ここで左右の手首で左右の[乳首の両脇]を押えたままにしていれば[ゴールド・
 マルチオーガズム]はいつまでも継続される。これはモニターによる実験例で実証
 されている。そのうえそのときの性感に変化をもたらせるテクニックも解明されて
 いる。そのテクニックは、左右の[乳首の両脇]を押えつづけていた左右の手首を
 左右の[乳首の斜め下]に移動し、ソフトに[乳首の真正面]に向けて撫であげると、
 これまで強烈だった性感はソフトな快感に変化してくる。
  この手法により、同一のチャンスに質的に異なる2種類のオーガズムを満喫する
 ことができる。
    
☆ 本番の[体位C型]の性感を満喫 ☆ 
  前段の[体位B型]に固有の性感が消え去らないうちに[体位C型]の性感をこれに
 オーバーラップしてW快感を味わってみよう。
  左右の手首を左右の[乳首の上部]に宛がい腰を使って[大気]にぐいとへばりつく。
 これで[真正ペニス]は[疑似エアーヴァギナ]に挿入されたし、[真正ヴァギナ]には
 [疑似エアーペス]が挿入され[真正ヴァギナ]は[疑似エアーペニス]を食い縛ったこ
 とになる。ここで左右の手首は左右の[乳首の上部]の元の位置にもどしておく。
  ここからはピストン運動にはいる。左右の[乳首の上部]に宛がった左右の手首で
 左右の[乳首の両脇]から[乳首の斜め下]ないし[乳首の真正面]に向けてソフトに擦り
 あげながら、腰を使ってぐいと[大気]いへばりつくと[とん]と1回の性感が走るので
 この快感をかぞえたところで腰をひけば、[トン]と1回の快感が反復される。
  ここで腰をひき左右の手首は左右の[乳首の上部]の元の位置にもどしておく。
  これが[体位C型]における[1拍子]のピストン運動である。
  このような[1拍子]のピストン運動とおなじパターンで[2拍子]から[3拍子]へ、
 そして[4拍子]・[5拍子]・[6拍子]・[7拍子]・[8拍子]・[9拍子]とピストン
 運動を積み重ねてゆけばよい。
  最後に[10拍子]のピストン運動にはいる。
  左右の[乳首の上部]に宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から左右の[乳
 首の真正面]に向かいソフトに擦りあげなげながら腰を使い、ぐいと[大気]にへばり
 つけば[とん、とん、とん・・・・]と10回の快感がはしる。
  この快感を数えたところで腰をひけば[トン、トン、トン・・・・]と10回の快感
 が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は左右の[乳首の上部]の元の位置にもどしておく。
  ここまでくれば性感はかなり昂進しているはずである。
  その性感を急テンポで昂進させるために、ここでピストン運動を[4拍子]に転換
 する。左右の手首を左右の[乳首の両脇]から[乳首の斜め下]ないし[乳首の真正面]
 に向けて擦りあげながら腰を使ってぐいと[大気]にへばりつけば[とん、とん、とん、
 とん]と4回の快感がはしる。この快感を味わったところで腰をひけば[トン、トン、
 トン、トン]と4回の快感が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は[乳首の上部]の元の位置にもどしておく。
  このパターンで[4拍子]のピストン運動を反復してゆけば性感は急テンポで昂
 進してゆく。
  ここで性感の昂進に拍車をかけるため、ピストン運動を[3拍子]に切り替える。
左右の[乳首の両脇]宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から[乳首の真正
 面]に向けて擦りあげながら、ぐいと[大気]にへばりつき、[とん、とん、とん]と
 3回の快感を数えたところで腰をひけば、[トン、トン、トン]と3回の快感が反復
 される。ここで左右の手首は左右の[乳首の上部]の元の位置にもどしておく。
  この[3拍子]のピストン運動を繰り返してゆけば性感はさらに急テンポで昂進
 してゆく。
  ここで昂進してきた性感に追い打ちをかけるため、ピストン運動を[2拍子]に
 切り替え、さらに[1拍子]に転換する。この[1拍子]のピストン運動を急テンポ
 ですすめれば、[もう、たまらない]という性的快感のシチュエーションになる。
  この階梯が[ゴールド・マルチオーガズム]への九号目である。
  絶頂は目前に迫った。そこで左右の手首で左右の[乳首の上部]から左右の[乳首
 の斜め下]ないし[乳首の真正面]に向けて力強く擦りあげる。その瞬間、下腹部は
 痙攣し[ゴールド・マルチオーガズム]の絶頂に達することができる。
  ここで左右の手首で左右の[乳首の上部]を押えたままにしていれば[ゴールド・
 マルチオーガズム]はいつまでも継続される。これはモニターによる実験例で実証
 されている。そのうえそのときの性感に変化をもたらせるテクニックも解明されて
 いる。そのテクニックは、左右の[乳首の上部]を押えつづけていた左右の手首を
 左右の[乳首の斜め下]に移動し、ソフトに[乳首の真正面]に向けて撫であげると、
 これまで強烈だった性感はソフトな快感に変化してくる。
  この手法により、同一のチャンスに質的に異なる2種類のオーガズムを満喫する
 ことができる。
    
☆ 本番の[体位D型]の性感を満喫 ☆ 
  体位C型に固有の性感が消え去らないうちに[体位D型]の性感をこれにオーバー
 ラップさせてW快感を味わってみよう。
 左右の手首を左右の[乳首の真正面]に宛がい、腰を使って[大気]にへばりつく。
   これで[真正ペニス]は、[疑似ヴァギナ]に挿入さてたし、[真正ヴァギナ]
には[疑似エアーペニス]が挿入され、[真正ヴァギナ]は[疑似エアーペニス]を
食い縛ったことになる。
  ここで左右の手首は左右の[乳首の真正面]の元の位置にもどしておく。
  ここからはピストン運動にはいる。左右の[乳首の真正面]に宛がった左右の手首
 で左右の[乳首の斜め下]から[乳首の両脇]ないし[乳首の上部]に向けてソフトに擦
 りあげながら、腰を使ってぐいと[大気]いへばりつくと[とん]と1回の性感が走る
 のでこの快感をかぞえたところで腰をひけば、[トン]と1回の快感が反復される。
 ここで腰をひき左右の手首は左右の[乳首の真正面]の元の位置にもどしておく。
  これが[体位B型]における[1拍子]のピストン運動である。
  このような[1拍子]のピストン運動とおなじパターンで[2拍子]から[3拍子]へ、
 そして[4拍子]・[5拍子]・[6拍子]・[7拍子]・[8拍子]・[9拍子]とピストン
 運動を積み重ねてゆけばよい。
  最後に[10拍子]のピストン運動にはいる。
  左右の[乳首の真正面]に宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から左右の[乳
 首の両脇]ないし[乳首の上部]に向かいソフトに擦りあげなげながら腰を使い、ぐいと
 [大気]にはばりつけば[とん、とん、とん・・・・]と10回の快感がはしる。
  この快感を数えたところで腰をひけば[トン、トン、トン・・・・]と10回の快感が
 反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は左右の[乳首の真正面]の元の位置にもどしておく。
  ここまでくれば性感はかなり昂進しているはずである。
  その性感を急テンポで昂進させるために、ここでピストン運動を[4拍子]に転換
 する。左右の手首を左右の[乳首の真正面]から[乳首の斜め下]ないし[乳首の両脇]
 に向けて擦りあげながら腰を使ってぐいと[大気]にへばりつけば[とん、とん、とん、
 とん]と4回の快感がはしる。この快感を味わったところで腰をひけば[トン、トン、
 トン、トン]と4回の快感が反復される。
  ここで腰をひき、左右の手首は[乳首の真正面]の元の位置にもどしておく。
  このパターンで[4拍子]のピストン運動を反復してゆけば性感は急テンポで昂
 進してゆく。
  ここで性感の昂進に拍車をかけるため、ピストン運動を[3拍子]に切り替える。
左右の[乳首の真正面]に宛がった左右の手首で左右の[乳首の斜め下]から[乳首の
 両脇]に向けて擦りあげながら、ぐいと[大気]にへばりつき、[とん、とん、とん]と
 3回の快感を数えたところで腰をひけば[トン、トン、トン]と3回の快感が反復され 
 るはずである。
  ここで左右の手首は左右の[乳首の真正面]の元の位置にもどしておく。
  この[3拍子]のピストン運動を繰り返してゆけば性感はさらに急テンポで昂進
 してゆく。
  ここで昂進してきた性感に追い打ちをかけるため、ピストン運動を[2拍子]に
 切り替え、さらに[1拍子]に転換する。この[1拍子]のピストン運動を急テンポ
 ですすめれば、[もう、たまらない]という性的快感のシチュエーションになる。
  この階梯が[ゴールド・マルチオーガズム]への九号目である。
  絶頂は目前に迫った。そこで左右の手首で左右の[乳首の真正面]から左右の[乳首
 の斜め下]ないし[乳首の両脇]に向けて力強く擦りあげる。その瞬間、下腹部は痙攣し
 [ゴールド・マルチオーガズム]の絶頂に達することができる。
  ここで左右の手首で左右の[乳首の真正面]を押えたままにしていれば[ゴールド・
 マルチオーガズム]はいつまでも継続される。これはモニターによる実験例で実証
 されている。そのうえ、そのときの性感に変化をもたらせるテクニックも解明されて
 いる。そのテクニックは、左右の[乳首の真正面]を押えつづけていた左右の手首を
 左右の[乳首の斜め下]に移動し、ソフトに[乳首の真正面]に向けて撫であげると、
 これまで強烈だった性感はソフトな快感に変化してくる。
  この手法により、同一のチャンスに質的に異なる2種類のオーガズムを満喫する
 ことができる。 


              第8節  性行動の技術

1 芳醇な性行動の原点
  芳醇な性生活を享受するためには、それなりの性的知識を保有していることを
 前提として、現実のパートナーを発見し、性生活の質的向上をはかれるように肉体
 的にも精神的にも相互に理解しあい、協力しあって最高の性的快感を満喫する工夫
 と努力が求められる。
2 性行動に関する正確な知識の習得
  性行動に関する正しい知識を正確に習得するためには、その知識・情報を提供し
 てくれる[媒体]を厳選しなければならない。
  その[媒体]のうちでも、興味本位に編集されたエッチブックとか、〇〇サイトな
 どという無責任な情報に惑わされてはならない。
  そこで性教育のために編集された地味な正統派とみられる著述で基本的な解説書
 を選択することが望ましい。たとえば人間の性行動を学問的に体系化した文献があ
 れば理想的といえる。
  この点、本著はまさしく人間の性行動について学問的に体系化した文献といえる。
  この著書は、人間の行動を研究対象とする[心理学]の延長線上において[人間の行
 動]の一側面である[性行動]に着目し、その[性行動]を研究対象として、これを体系
 化したものである。
3 理想的なパートナーの発見
  人間の性行動としては、[ダブル型性行動]と[シングル型性行動]を考えることがで
 きる。このことはすでに詳述した。
  そうだとすれば[ダブル型性行動]においては性行動の相手方としてのパートナーの
 存在が前提とされる。そこで性行動の主体としての自分自身に最も適した理想的なパ
 −トナーの発見が重要になってくる。
それではパートナーを発見するにはどうしたらよいか。
  相互の恋愛からはじまる親交関係の形成が理想的である。しかし、その機会に恵ま
 れない場合は[見合い]のコースが考えられる。このコースには[結婚を前提としたコー
 ス]と単に[肉体的・性的な交流のみを目的としたコース]をあげることができる。
  このほか単刀直入型としては、[出逢い系サイト]があるけれども、このコースは、
 スリルに満ちている反面、常に危険性と裏腹の世界であることを覚悟しなければなら
 ない。その危険性のひとつは、密会が発覚した場合には、そのパートナーと一定の身
 分関係がある者に対して[不法行為責任]を問われる可能性である。もうひとつの危険
 性は、恐るべき[性病の感染]である。
  次に[シングル型性行動]におけるパートナーの発見はどうであろうか。この場合は
 [性行動の主体 ]がそのままパートナーになるわけである。これはシングル型の性行動
 であるから性行動の主体たる[ヒト]は、自分自身のハートのなかにパートナーを発見
 することになる。それだけにデリケートな[心的活動]が必要となる。
  性行動の主体としての[ヒト]はイメージアップにより自分のハートのなかに理想的な
 パートナーを発見しなければならない。ただ実際にパートナーが存在しているときには
 そのパートナーの風貌をイメージアップしたり、彼女や彼氏の名前を呼ぶなどすると、
 パートナー発見の心理的効果はアップされることが実験例により実証されている。
  そもそも性行動というものは肉体的なものであるけれども、メンタルな要素が大きな
 要因となっているからである。
  このように人間の行動のうちでも性行動はイメージのはたらく余地がおおきい分野と
 いえる。そうだとすれば自由奔放な想像力によりイメージをはたらかせ、素敵なパート
 ナーを発見できるはずである。
  性行動の主体としての自分自身が豊かなイメージ形成により、物理的には現前に存在
 しない、自分のハートのなかにだけ感得することができる素敵なパートナーを発見する
 テクニックをあみだして欲しい。
4 発見したパートナーの理解と察知
  このようにして素敵なパートナーを発見したら、そのパートナーの心中をよく理解 
 し、パートナーの心的構造と肉体の特徴を正しく察知しなければならない。
  この場合、肉体の特徴のなかには、乳房の大きさとか性器の形状や大小などのほか、
 感じやすい性感帯の部位、刺激を忌み嫌う身体の部位、刺激を歓迎される身体の部位、
 オーガズムに達するまでの所要時間なども含まれる。もちろん健康様態とか性病の有無
 なども正確に察知しておかなければならない。
  このためには、単なるパートナー相互間における問診だけではなく、専門医による健
 康診断書の交換もなすべきことを推奨する。
  とりわけパートナーの心理的構造の理解には時間がかかる。パートナーへのアプロー
 チにはじまり、接触などのスキンシップ、脱衣、抱擁につづく身体の結合、そして性行
 為の本番などの回数を重ねることにより、時間をかけて理解してゆくしかない。
5 性行為の技術
  性行動に関する基本的な知識を習得し、理想的なパートナーを発見し、そのパート
  ナーの心的構造や肉体的な特徴をよく理解し察知したうえで、性生活を芳醇にするた
めには、性行為の技術が要求される。
  その性行為の技術については、、本著における各部所において個別具体的に詳述して
 いるので、それぞれの箇所を確認して欲しい。
  よくいわれる[四十八手性交の体位]などに拘る必要はない。
  むしろ自分なりの性技術を深めてゆくことが大切である。

              
                 あとがき

 本著においては、性の本質に遡って[ヒト]の性行動に新たな視点からスポットラ
イトを照射し、性行動の真相を解明してきた。
 人間の性行動に関する基本的知識を整理し体系化しているので本著は[性教育の基
本書]として活用することができる。
 そのうえ[ヒト]の性行動に関し具体的に記述しているため、これを履修することに
より性行動を起こすときに、その性技術としても、その奥義に徹することができる。
 さらに本著は、[ダブル型性行動]だけでなく、[シングル型性行動]についてもその
真相を解明しているので、少年少女をはじめとして、性行動の旺盛な青年から壮年レ
ベルはもとより、人生の奥義を極め熟年に達した高齢者にいたるまで、それぞれの
世代に応じた、健全な性生活をよりいっそう潤いのある芳醇なものにすることができ
るはずである。
 その性生活を芳醇なものにするといっても性行動の濫用は推奨することができない。
 たとえその地球人の[性的指向]とはいえ、自分やパートナーの健康を損ねるよう
な性行動は慎まなければならない。性行動に伴うすべての責任は、その行為者そのも
のに帰責されるものである。
 たとえば本著で実証的研究に基づいて解明した[ゴールド・マルチオーガズム]をエ
ンジョイするといっても、性行動を濫用すると一定のリスクを負うことにもなりかね
ない。こうした性行動の妙味に溺れて、毎日のように、それも1日に何度も何度も愉
しむような性行動にでることは推奨できない。刺激が強すぎて前立腺肥大などが起こ
る危険性も皆無とはいいきれないからである。そうだとすればマルチの性行動も1日
に1〜2回程度に留めるのがよい。1週間に1〜2回程度が理想的でしょう。
 尤も[前立腺肥大]の懸念を払拭するため、あらかじめ前立腺をカットするオペをす
るという選択肢はあるかもしれない。しかしそこま徹することは推奨できない。
 永く健全で芳醇な性生活を愉しむためには、適度の性生活に留めることを推奨したい。
 
 本著を有効に活用して、よりいっそう芳醇な性生活をおくられるよう切望する。

 
○ 花園家の応接室
  かなり広いスペースの応接室の奥は乳白色の絹を張った衝立で仕切られ、書斎
 になっている。
  応接室の表ドアを開けると豪華な応接セットが配置されている。  
  花園は絹張りの衝立の奥のデスクに向かっている。
ううっと花園は両腕を突き上げて背伸びをする。
「ああ。これで藤原君の[性行動の科学的研究]も終焉を迎えたわけか」
  花園弁護士は藤原教授の著書を閉じる。
「それにしても心理学者の藤原がここまで深くメンシェンの性行動を探究していたこと
は識らなかった。稀にみる素晴らしい研究だ」
 花園は冷めたコーヒーを啜りあげる。
「ともかく、佐保子とのベッドのなかのアクションも、根本から洗い直してみることに
しよう。彼の研究成果を実行してゆけば、100歳になっても芳醇な性生活をエンジョイ
することができるかもしれない」
 花園は起ち上がり、デスクから離れ、奥のドアから消えてゆく。

〇 羽村堰の堤
  玉川上水に沿ってつづく堤では、満開になった桜の並木が展開される。
  そよ風に揺られ桜がちらほら舞い落ちる。

〇 花園家の門前
  白光がする石肌の表面に黒点を散りばめた花崗岩の門柱に粉雪が舞い落ちている。
  花園家の庭の芝生は数センチの積雪で白銀エリアと化している。
  春には佐保子が筍狩りをしている竹林も銀世界に変貌している。

〇 羽村堰の堤
  紅葉した桜並木の下を数人のシルバーがそぞろ歩いている。
  堤に沿って玉川上水の清流が音もなく流くだる。

                               (了)


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