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作品名:自分が男でなくなる瞬間 作者:藤田

第30回   30

第30回 マルチの悦楽
             


○ 清津峡温泉郷の峡谷
  信濃川の支流にあたる清津川の源流にほど近い清津峡温泉郷の峡谷をごうごう
 と急流が流れくだる。

○ 緑風館・桔梗の間
  藺草(いぐさ)の香り高い畳20畳ほどの部屋の中央に紫檀(したん)のテーブル
 がでんと配置されている。
  そのテーブルを囲み、花園弁護士と藤原教授が朝食の箸をとっている。
「お茶がはいりました」
  花園は炒れたてのお茶を藤原の前に差し出した。
「どうも」
  藤原は箸置きに塗り箸をおき、茶碗を引き寄せる。
「早速ですが。昨夜のつづきにはいりましょう」
「ええ。[シングル型性行為]の[エアーヴァギナ]をパートナーとする[手首型
正常位]の最後として[複合タイプの正常位]について考えてみましょう」
 藤原はお茶を啜(すす)る。
「かずその概念を整理してみてください」
 花園もお茶を啜りあげる。
「これまでに[手首型正常位]の体位における[A型]をはじめ[B型]および[C型]
ならびに[D型]について考察してきました。その結果これらの体位によって、
それぞれ固有の性感を享受できることが解明されました」
「これはおおいに役立ちました。今後、実行してみます」
「そもそも性行為の主体は血も通い肉の躍る生身の人間ですが。同一の機会ないしお
なじ時間帯において、これら数種の体位による性感を一気にエンジョイすることもで
きろのではないかと考えてみました」
「なるほど。そういう享楽のメソッドもありえますな」
「ええ。そのためには、それぞれの[体位]の長所を融合させた性的快感を享受するテ
クニックを駆使すればよいことになります」
「論理的にもそうなりますな」
「ええ。そのテクニックは、性行為の主体としてのメンシェンが、それぞれ固有の性
的指向つまりセクシャリティーに適した性的技術を工夫すればよいでしょう」
「まさに、そうでしょうな」
 花園は身を乗り出した。
「けれども、ここでは[標準的なテクニック]を考察してゆくことにします」
「なるほど。標準的テクニックですか」
「まず[前戯行為]ですが。ゼネラルストリップになり、いわゆる[立ち位]の姿勢で腰
を据え、ペニスを筋肉質の[真正ヴァギナ]に挿入するときのような体勢になります。
左右の手首は下腹部の臍の両脇に宛がいます。これが基本姿勢です。
ここで、やや上半身を前傾させながら左右の手首で下腹部の臍の両脇から左右の乳首
に向けてソフトに擦りあげてゆきます。それとおなじタイミングでペニスをぐいと突
出し、おもいきり[大気]にへばりつきます。[大気]にへばりついたとき、左右の乳首
の両脇に達している左右の手首で[八の字型」に乳首を擦り開きます。このパターン
で腹部から胸部にかけて愛撫を繰り返してゆけば、現実にパートナーを抱擁したとき
のようなソフトな性感が湧いてくるようになります。なにも急速にペニスを勃起させ
ようと焦らなくても、やんわりと、ごく自然にペニスは勃起し、快感の昂進とともに
ペニスは蠕動(ぜんどう)しはじめます。このパターンの愛撫行為を繰り返してゆけば、
蠕動するペニスの亀頭部は,
[カウバー腺]から分泌されて透明な分泌液により潤滑になってきます。この点、個人
差はありますが、その訓練によっては、この段階でペニスに[とん、とん型]の快感さ
え感知できようになることが、モニターによる実験例で実証されています」
「なるほど。そうなんだ。すると[複合型]の本番はどうなりますか」
「ええ。その本番については、いくつかのステップがあります。まずワンステップ
からはじめます」
「ワンステップではどんなテクニックがありますか」
「これまでの愛撫行為により勃起したペニスの亀頭部は、[カウバー腺]からの分泌
液で潤滑になり、きょとんきょとんと蠕動しています。ここでペニスを[エアーヴァ
ギナ]にぐいと挿入します。左右の手首を左右の乳首の[斜め下]に宛がい腰を引き、
すでに挿入しているペニスを後退させ、左右の乳首の[斜め下]に宛がっていた左右
の手首で左右の乳首の[真正面]から乳首の[上部]に向けてソフトに擦りあげながら
ペニスを[エアーヴァギナの奥深く突出し、[とん]と1回の快感を感じたところで腰
を引けば、[トン]と1回の快感が反復されます。これが[1拍子]のピストン運動です。
おなじ要領で、最初に感じる[とん、とん]快感、反復快感としての[トン、トン]快感
というパターンのピストン運動を積み上げながら[2拍子]から[3拍子]へ、そして、
[4拍子]へ、さらには[5拍子]から[6拍子]・[7拍子]・[8拍子]・[9拍子]のピス
トン運動に転換してゆきます。最後に[10拍子]のピストン運動にはいります。勃起
したペニスを[エアーヴァギナ]に突出し、[とん、とん・・・]と10回の快感を数え
たら腰を引けば、[トン、トン・・・]と10回の快感が反復されます。ここまでが
左右の乳首の[斜め下]を刺激の中心とする[A型]の体位による性行為です」
「わかります。するとここで[B型]に転換するわけですか」
「ええ。そうです。まず基本姿勢の体勢になり、左右の手首を左右の乳首の両脇に宛
がい左右の乳首の両脇を前方にソフトに擦りあげながら、勃起し、透明な分泌液で潤
い、蠕動しているペニスを[エアーヴァギナ]のなかにぐいと突出し、[とん]と1回の
快感を感じたところで腰を引けば、[トン]と1回の快感が反復されるので、腰を引き、
左右の手首は、左右の乳首の[両脇]の元の位置にもどします。このようなピストン運
動をパターンとして[とん、とん]および[トン、トン]という数える快感の回数を増や
してゆき、ピストン運動のテンポを速めてゆきます。こうしてピストンの[拍子]は
[2拍子]から・・・・・[9拍子]へと転換されてゆき、[10拍子]のピストン運動と
なります。このレベルに達すれば[マルチオーガズム]の境地に溶け込みたい気分にな
りますが、それを堪(こら)えて、次の[C型]に転換します」
「ほう。堪えることも大切なんだ」
「まあね。まず腰を据えて基本姿勢の体勢になり、左右の[手首]を左右の乳首の[上部]
に宛がい、その左右の[手首]で[八に字型]に乳首の[上部]を擦り開くとともに、勃起し
たペニスをぐいと[エアーヴァギア]の奥深く突っ込み[とん]1回の快感を数えたところ
で腰をひけば[トン]と1回の快感が反復されます。ここで左右の[手首]は左右の乳首の
[上部]の元の位置にもどしておきましょう。これが[C型]における[1拍子]のピストン
運動です。このようなパターンで[2拍子]から[9拍子]まで転換しながらピストン運動
のテンポを変化させてゆきます。すると性感は昂進してゆき、ペニスの亀頭部は潤滑と
なり、[カウバー腺]からしきりに分泌された透明な分泌液は、蠕動(ぜんどう)するペニ
スの亀頭部から床に滴り落ちるようになります。最後に[10拍子]のピストン運動に
転換します。ペニスを[エアーヴァギナ]の奥深く差し込み、[とん、とん・・・]
と10回の快感を数えたところで腰をひけば、[トン、トン・・・]と10回の快感が
反復されます。ここで左右の手首は、左右の乳首の[上部]の元の位置にもどしておき
ます。このレベルまで進行すれば[もう、射精したくて堪らない]という性感になりま
す。けれども射精はしないで我慢しましょう。この[複合型の本番]をワンステップか
ら、ツーステップを経てスリーステップに到達し、最後に[複合型]特有の性的快感を
満喫するために、このレベルでは[マルチオーガズム]にのめり込まない忍耐が必要と
なります。そこで射精を我慢したうえで、次の[D型]に転換しましょう」
「こりゃ、たいへんなことになりおったわい。すると[D型]はどうなりますか」
 花園は深い溜息を吐いた。
「これまで左右の乳首の[上部]に宛がっていた左右の手首を左右の乳首の[真正面]に
宛て変えます」
「なるほど。こんどは乳首の[真正面]が刺激の中心になるわけか」
「ええ。ここで基本姿勢をとり、左右の手首は乳首の[真正面]に宛がい、この部位を
ソフトにまるく円を描くように擦りながら、勃起し、愛液で濡れたペニスを[エアー
ヴァギナ]の奥深く、ぐいと差し込み、[とん]と1回の快感を感じたところで腰をひけ
ば[トン]と1回の快感が反復されます。このようなパターンが体位[D型]におけるピス
トン運動になります。このパターンで[2拍子]から順次速めてゆき[9拍子]まで転換
してゆきます。その[拍子]をあげるたびに性感は昂進されてゆきます。
最後に[10拍子]のピストン運動に転換します。勃起し、愛液で濡れたペニスを
[エアーヴァギナ]の奥深く差し込み、[とん、とん・・・]と10回の快感を数えたと
ころで腰をひけば、[トン、トン・・・]と10回の快感が反復されるので左右の手首
は左右の乳首の[真正面]のもとの位置にもどしておきます」
「なるほど。そろそろワンステップはおしまいですか」
「ええ。ここで[複合タイプの手首型正常位]の体位による性行為の本番もツーステップ
に踏み込みましょう。このステップでは、[4拍子]のピストン運動を連発して性感を
アップします。勃起して亀頭部が[カウバー腺]からの分泌液で潤滑になり、きょとん、
きょとんと蠕動(ぜんどう)しているペニスを[エアーヴァギナ]のなかにぐいと挿入し
ましょう」
「ああ。いわれただけで下腹部がむずむずしてきた。わしはいまでも男なんだなあ」
「現に前立腺を切除しても性欲には影響しないんだ。だから君もまだ男であることは
確かなんだ」
「そいうことになりますかな」
 花園はふうっと溜息(ためいき)を吐いた。
「まずAアクションとして、左右の手首を左右の乳首の[斜め下]に宛がう。腰をひき、
すでに[エアーヴァギナ]に挿入しているペニスを後退させ、左右の乳首の[斜め下]に
宛がっていた左右の手首で、左右の乳首の[斜め下]から乳首の[上部]に向けてソフト
に擦りあげながらペニスを[エアーヴァギナ]の奥深く突出し、[とん、とん、とん、
とん]と4回に快感を数えたところで腰をひけば[トン、トン、トン、トン]と4回の
快感が反復されます。これが[4拍子]のピストン運動です。このAアクションは乳首の
斜め下」を刺激の中核とする性行動です。このパターンでピストン運動を反復して
ゆきます」
「よし、わしも君のコメントに対応してアクションを実行してゆくことにする」
 花園は肌蹴(はだけ)た胸に両手首を宛がう。
「このパターンでピストン運動を反復してゆけば性感は急速にアップしてゆくこと
でしょう。ここでBアクションに転換しましょう」
「このBアクションは、どこが刺激の中核となりますか」
 花園は両方の乳首に両方の手首を当てたままになっている。
「ええ。このBは乳首の[両脇]が刺激の中核となります」
「こんどは乳首の[両脇]か」
 花園は乳首の両脇に手首を宛がう。
「そこで左右の乳首の[両脇]に左右の手首を宛がい、腰をひき、左右の手首で左右の
乳首の[両脇]を前方に擦りながら、勃起したペニスをぐいと[エアーヴァギナ]のなか
に突出します。ここで[とん、とん、とん、とん]と4回の快感を数えたところで腰を
ひけば[トン、トン、トン、トン]と4回の快感が反復されるので、左右の手首は左右
の乳首の乳首の[両脇]の元の位置にもどしておきます。このようなパターンでピストン
運動を反復してゆけば、乳首の[両脇]を刺激の中核として性感はますます昂進してゆき
ます。ここでCアクションに転換しましょう」
「こんどはどこが刺激の中核となりますか」
「このcアクションでは乳首の[上部]が刺激の中核となります」
「なるほど。乳首の[上部]か」
 花園は乳首の[上部]に手首を宛がった。
「ここでは左右の手首を左右の乳首の[上部]に宛がい、腰をひき、左右の手首で乳首の
[上部]を[八の字型]に擦り開きながらペニスを[エアーヴァギナ]の奥深く突出し[とん、
とん、とん、とん]と4回の快感を数えたところで腰をひけば、[トン、トン、トン、
トン]と4回の快感が反復されます」
「なるほど。腰をひいたら快感が反復されました。けどこの[反復快感]は最初の[とん、
とん快感]とは、その質が違いますな」
「おっしゃるとおりです。[とん、とん快感]と[トン、トン快感]は性感の質が異なる
ことが、モニターのよる実験例によっても実証されています」
「ほう。それだけ性行動の質にも変化をもたらし、より奥深い性感をエンジョイする
ことができるんだ。これは素晴らしい。[シングル型性行為]でここまでエンジョイする
ことがでいるんだから、もう、佐保子は要らなくなってしまった」
「それはそうかもしれないけど、佐保子さんをよりいっそう奥の手で大切にしなくては
なりません」
「わかりました。[ダブル型]も大切にします」
「ここで[とん、とん]・[トン、トン]がおわったら左右の手首は、左右の乳首の[上部]
の元の位置にもどししておきましょう。ここまで性感が昂進してくれば[もう堪らない]
という性感度になるはずです」
「そうでしょうな」
「最後にDアクションですが。左右の手首を左右の乳首の[真正面]に宛がい、腰をひき、
左右の手首で左右の乳首の[真正面]を円を描くように擦りながら、勃起したペニスをぐ
いと[エアーヴァギナ]の奥深く突っ込み[とん、とん、とん、とん]と4回の快感を数え
たところで腰をひけば、[トン、トン、トン、トン]と4回の快感が反復されます。ここ
で左右の手首は左右の乳首の[真正面]のもとの位置にもどしておきましょう。この性行
動は乳首の[真正面]の刺激を中核としたアクションですが、このアクションを反復して
ゆけば、[もう射精してしまいそう]という性的シチュエーションになってきます」
「なるほど。マルチな性感になってきました。まさにマルチの悦楽ですな」
 花園はふうっと溜息を吐いた。
「ここで複合タイプの[手首型正常位]の本番もスリーステップにはいります」
「いよいよ最終段階のスリーステップですか」
「ええ。この型の性行為も最終段階を迎えました。まもなく[マルチオーガズム]の頂上
が視野にはいってくることでしょう。まず[A型]のアクションですが。左右の手首を左右
の乳首の[斜め下]の宛がい、その部位から左右の乳首の[真正面]ないし[上部]に向けて
擦りあげながら勃起したペニスをぐいと[エアーヴァギナ]のなかに突出し[とん、とん、
とん、とん]と4回の快感を数えたところで腰をひき、[トン、トン、トン、トン]という
[反復快感]を味わうことなく、すぐにペニスを[エアーヴァギナ]のなかに突き出してゆ
きます。すると[とん、とん、とん、とん]4回の快感が跳ね返ってきます。このピスト
ン運動は、[トン、トン型]の[反復快感]をカットし、たてつづけに[とん、とん型」の
テンポに転換するという性的アクションです。そのテンポが速い分だけ、性感も急速に
昂進されてゆきます。ここで[B型]に転換します。左右の手首を左右の乳首の[両脇]に
宛がい、左右の乳首の[両脇]を前方に擦りながらペニスをぐいと[エアーヴァギナ]に
差し込み[とん、とん、とん、とん]4回の快感を数えたところで腰をひき、[トン、ト
ン型]の[反復快感]を味わうことなく、すぐにふたたびペニスを[エアーヴァギナ]のな
かに突き出してゆきます。すると[4拍子]のピストン運動はそれだけテンポが速くなり
性感は急速に昂進してゆきます。このテンポのピストン運動でぐんぐん性感を昂進して
ゆきましょう」
「なるほど。テンポが速まるでけ、刺激が強烈になるんか」
「そういうわけだが、ここで[C型]に転換します。左右の手首を左右の乳首の[上部]に
宛がい、左右の手首で[八の字型]に左右に擦り開きながらペニスを[エアーヴァギナ]に
突っ込み[とん、とん、とん、とん]と4回の快感を数えたところで、すぐにふたたび
ペニスを[エアーヴァギナ]に突き出してゆけば、[4拍子]のピストン運動はそれだけ
テンポが速くなり、これに比例して性感も急速に昂進してゆきます」
「そうでしょうな。ここまで高度のテクニックを駆使してきたんだから」
「さらに性感を昂進させるため[D型]に転換しましょう。この型は乳首の[真正面]を
刺激の中核としますから、左右の手首を左右の乳首の「真正面」に宛がい、円を描く
ように擦りながら勃起したペニスをぐいと[エアーヴァギナ]のなかに突っ込み[とん、
とん、とん、とん]と4回の快感を数えたところで腰をひき、左右の手首は左右の乳首
の元の位置にもどします。こうして[トン、トン、型]の[反復快感]を味わうことなく、
腰を使ってペニスを[エアーヴァギナ]に突き出してゆけば[とん、とん、とん、とん]
と性感が跳ね返ってきます。このパターンでピストン運動を反復してゆけば、[もう。
射精しそうだ]という性感に昂進してきます」
「ううん。そうなんだ。まるでドリームの世界みたい」
「まあね。複合タイプの性行動もこのレベルにまで登りつめれば[マルチオーガズム]
の山頂は目前に迫ってきます」
「たしかに、そうでしょうな」
「左右の手首を左右の乳首の[斜め下]に宛がい、腰を使って勃起し亀頭部が愛液で濡れ
たペニスをぐいと[エアーヴァギナ]に突出し、[4拍子]のピストン運動を繰り返してゆ
きます。やがてその拍子を[3拍子]に切り替え、さらに[2拍子]に転換してから最後に
[1拍子]のテンポでピストン運動を矢継ぎ早につづけ、[もう射精を我慢することができ
ない]という性感になったとき左右の手首で乳首の[斜め下]から乳首の[真正面]ないし
乳首の[上部]に向けて強く擦りあげます。その瞬間、[マルチオーガズム]の絶頂に登り
つめることができるでしょう。そのまま左右の乳首の[真正面]を左右の手首で抑えた
状態で快感を満喫しましょう。抑えた手首を緩めると性感は徐々に減退してしまうから、
性感を持続するには抑えたままの状態を保つおがよいでしょう」
「それもテクニックのひとつなんだ」
「まあね。その快感がつづいているうちに、左右の手首を左右の乳首の[両脇]に宛がい、
前方に擦りながら[4拍子]のピストン運動にはいりましょう。やがてピストン運動は[3
拍子]に切り替え、さらに[2拍子]に転換し、最後に[1拍子]へ切り替え、ピストン運動
のテンポを速めてゆきます」
「なるほど。さらに性感をアップさせると」
「そうです。[もう、ペニスの亀頭部から精液が噴出しまいそう]という性感になったとき
左右の手首で左右の乳首の[両脇]を前方に強く擦り抜きます。その瞬間、2度目の[マルチ
オーガズム]に登りつめることができます」
「2度目のマルチか。凄いな」
「こにょうな2度目のマルチ快感がつづいているうちに左右の手首を左右の乳首の[上部]
に宛がい、左右の手首を[八の字型]に開きつつ乳首の[上部]を擦りながら勃起したペニス
を[エアーヴァギナ]のなかに突っ込み、[4拍子]のピストン運動にはいります。こうして
性感の昂進を感知しながらやがてピストン運動の拍子を[3拍子]から[2拍子]へと転換し、
最後に[1拍子]に切り替えます。矢継ぎ早にピストン運動を反復してゆき[もう、どうにも
ならない]という性感になったとき、左右の手首で左右の乳首の[上部]を強く[八の字型]に
開き擦り抜きます。その瞬間、3度目の[マルチオーガズム]に達することができます」
「ほう。これで3度目のマルチオーガズムか」
「このマルチオーガズムが継続しているうちに、左右の手首を左右の乳首の[真正面]に
宛がい、円を描くように刺激しながら勃起したペニスをぐいと[エアーヴァギナ]のなかに
突出し[4拍子]のピストン運動にはいります。性感の昂進にともないピストン運動の拍子
を[3拍子]から[2拍子]へ転換し、さらに[1拍子]へと切り替えます。左右の乳首の[真
正面]を急テンポのピストン運動で刺激してゆけば、射精寸前の性感に達することがモニ
ターによる実験例により実証されちます」
「ほう。そこまで実験済みなんだ」
「まあね。こうして性感が極度に昂進してゆき、[ペニスの亀頭部に精液が漏れかかった
ような性感になったとき、力を込めて乳首の[真正面]を刺激しながらペニスをぐいと[エ
アーヴァギナ]の奥深く突出します。その瞬間、これまでに経験したことがないような一種
独特な味わいがする[マルチオーガズム]の絶頂に到達することができます」
「これで同一の期会に、天にも昇る心地がするマルチオーガズムをたてつづけに4回もエン
ジョイすることができるんですな。素晴らしい発見と研究ですな」
「おっしゃるとおり。これで同一の時間帯に4回ものマルチオーガズムに到達したことに
なります。これこそ[性行動の極致]いやマルチの悦楽かもしれませんここでコメントした、
いわば[標準型な手法]を基本として、性行動の行為者として自分なりの独自な手法を生み
出して欲しい」
「わかりました。どうも」
 花園弁護士はふっと深い溜息を吐いた。

○ 清津峡温泉郷の峡谷
  信濃川の支流にあたる清津川の源流にほど近い清津峡温泉郷の峡谷をごうごう
 と急流が流れくだる。


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