200文字小説 タイトル:人間失格 恥の多い生涯を送ってきました。 今ならばそんな告白で始まる物語の主人公葉蔵の気持ちが、少しはわかるような気がした。人を恐れた葉蔵は、そんな自分を悟られまいと懸命に道化を演じた。 ならば自分も…。 この局面を切り抜けるためには、道化を演じきるしか方法がないのかもしれない。
「兄ちゃん、なんでもええけど、はよズボンのチャック上げなはれや」 こめかみにピップエレキバンを貼り付けたおばちゃんがそっと俺に耳打ちした。
200文字小説 世界迷作劇場『ジュリアス・シーザー』より
男子校の修学旅行にて、ある噂が流れた。 男子の露天風呂の生垣が壊れていて、そこから女風呂が覗けるらしい。 「ふん、そんな子供じみた真似できるか」 クラス委員長、如月はクールなメガネをクイっとあげて答える。 「そうだよな、高3にもなって女風呂など」 ライバルの副委員長の弥生が、サラサラの前髪をかきあげる。
30分後、如月は裸で教官室で正座させられていた。 隣には同じ格好の弥生の姿があった。 「ブルータス、お前もか」
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