マイエットはここ数年の間に起きた事実を話した。就職した香港で夫の修二と出会った事。そして結婚した末、二人の間に息子が生まれたこと。夫婦で話し合い長女であるメイを引き取り養子縁組に入れたいという修二の申し入れの事..
あまりに急な事にアリスとフェリックスは驚いた。メイが生まれてから一度も愛情をマイエットは母親として与えなかったのに急に引き取りたいなんて、娘が孫に対して愛情をもてるようになったことは喜ばしいことだけどマイエットはアリスとフェリックスに修二と結婚した事や二人目の孫が生まれた事などを一度も報告しなかった。そして急に今になって事実を告げられ、本当にメイを引き渡して良いのか二人は迷った。
マイエットの強引さは今に始まった事ではない。マイエットはメイを呼んだ。
メイ!!!どこ?
メイは子供部屋でぐっすりと昼寝をしていた。アマンダはいった。
メイは今お昼寝にはいったばかりです。
けれどマイエットは強引にメイの部屋へ入り、メイを起こした。
メイ、起きなさい!!ママよ。
急に起こされたメイはぐずった。その上起きたら知らない人がいる、メイは泣いた。
おばあちゃあん!!
アリスは急いでメイの元へ駆け寄る。そしてメイを抱き抱えた。
メイに乱暴はしないで!!ずっと会ってないんだからメイが覚えてるわけないでしょ?!!
アリスはマイエットの横暴なやり方に苛立ちを隠せないでいた。
メイは私の子よ!!私がどうしようとママには関係ないでしょ?!私が生んだのよ!!殺すも生かすも私次第よ!!
マイエットは鬼のような形相で母親とは思えない言動をアリスに吐き捨てた。そしてマイエットはメイをアリスから奪いとり、恐怖で泣き叫ぶメイの頬を想いっきりひっぱたいた...
泣くんじゃないよ!!五月蝿子ね!!
修二が抱いていた赤ん坊もメイの鳴き声に怯え泣き始める。
マイエット!!ヤメろ!子供たちが怯えるだけだ。今日の目的を忘れたのか。
修二はマイエットを落ち着かせ座らせた。その間、メイはアリスの胸に飛び込んだ。修二はゆっくりと話し始めた。
感情的になってすみません。けどマイエットは真剣にメイちゃんを自分で面倒をみたいと望んでいます。そして私もメイを娘として養子に取る事を考えています。どうかマイエットにチャンスを与えてください。
修二はアリスとフェリックスに頭を下げた。 けれどアリスとフェリックスの心のうちは穏やかではなかった。マイエットはメイの母親でも引き渡すのがとても不安だった。
考えさせてほしい...
フェリックスはゆっくりと重い口を開き修二とマイエットに言った。
今の状態では正直メイを渡すのは不安だ。特にマイエットのメイに対しての言動... マイエット、本当にメイを引き取りたいのならフィリピンにいる間までの期間ちゃんとメイと向き合ってくれ。 メイはおもちゃではないんだよ?
フェリックスはアリスの膝で泣きじゃくるメイを見た。マイエットに視線を向けた。
出来るね?
マイエットはため息をし、
わかった。こっちには二週間くらいいる予定だから。
フェリックスは修二のほうに目線を変えた。
修二さん、それでいいですか?
修二もフェリックスに視線を返し、ゆっくりと返事をした。
わかりました。よろしくお願いします。
この一連の出来事を小さなメイは理解することも今後それによりメイの人生が変わる事を知る由もなかった。そしてアリスとフェリックスは自分たちの中に感じる不安が的中しないことを祈る事しか出来ない。
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