「おばあちゃ〜ん」
数年が経ちメイはすくすくと成長していった。標準の子と比べるととても小さく、けれど元気に育っている。 メイは未だに母親の存在を知らない。というよりもわからない。物事がわかる頃にはメイは祖父母であるアリスとフェリックスたちが育ててきたからだ。その間マイエットはメイに一度も会っていない。けどメイは幸せだった。大好きなおじいちゃんとおばあちゃん、家政婦のアマンダおばちゃん、そして近所の友達と凄く恵まれていた。
「メイ!そろそろお昼寝しなさい」
アリスはメイに微笑みながら抱き寄せた。 アリスにとっては愛しい孫。そしてそんなメイを不憫に思ってしょうがない。メイは今後母親の愛情を知らずに育ってしまうのか...メイが大きくなったらなんて伝えればいいのか...アリスは迷っていた。まだ先のことであっても孫に幸せになってもらいたいアリスとフェリックスはこの数年間成長していくメイの姿をみてため息がでる。
そんなある日、家に一本の電話が鳴る。
はい、もしもし...
アマンダが電話にでる。
........アマンダ?
聞き覚えのある声だ。
私、マイエット。ママいる?
アマンダは驚いた。ここ数年音沙汰なしでいたマイエットからの電話であった。驚いたあまりにアマンダは無言になってしまった。その姿をみたアリスが近寄った。
アマンダ?だれから?
アリスはアマンダから受話器を取った。
もしもし。どちら様?
おそるおそるアリスは電話の相手に話しかける。
...ママ?わたし...マイエットだよ。
アリスは驚いたあまりに受話器を落とす。受話器が床に叩き付けられる音で我に返りアリスは受話器を拾った。
マイエット?今どこにいるの?
アリスは久しぶりに聞く娘の声に感極まる。
今空港。もう少ししたらそっち着くんだけど、いってもいい? あと会ってほしい人がいるんだ...
受話器越しから空港のアナウンスの声が響きわたる。そして...
数時間後、マイエットは実家の前に着いた。マイエットは赤ん坊と20代の東洋人の男性と一緒にタクシーから降りてきた。
ママ、久しぶり。
マイエットはアリスを抱きしめた。アリスも数年振りに会う娘をめいっぱい抱きしめた。
アリスとフェリックスは三人を居間に通した。マイエットは東洋人の男性になにか知らない言葉で話しかけ、マイエットが抱いている赤ん坊を委ねた。そして覚悟を決めたかのようにマイエットは口を開いた。
ママ、この人私の夫です。そしてこの子は私の息子、昭平。 それで今日来たのは、私の娘、メイを引き取りに来たの...
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