16才の幼母、マイエットと生まれたばかりの赤ん坊は緊急病院へ入院した。
マイエットは出血多量のため輸血をしながら深い眠りにはいったままであった。
生まれて間もない赤ん坊は28週というあまりにも早く生まれ、体重がたった980gしかない超未熟児の上母親に生後間もなくちゃんとした医療行為を受けずにいたために生死の境をさまよっている状態だった。保育器にいれられた赤ん坊は、生き延びても障害が残る確率が高いといわれていた。
アリスとフェリックスは驚きを隠せなかった。 自分たちの娘が妊娠した上に自力で出産をし、尊い命を簡単に捨てる行為をしたからだ。二人は敬虔なクリスチャン。娘が人としての冒涜を働いたことにショックを受けていた。
マイエットが起きたのは翌日のことだった。目覚めたら白い天井に自分の両親が横から涙目で彼女のことを心配に見つめている姿を目にした。それと同時にばれた?!というショックにとまどってしまった。
アリスとフェリックスはマイエットを攻めなかった。
アリスは重い口を開く、「赤ちゃん、女の子ですって。どうするの?」
マイエットは戸惑った。まだ16才で遊びたい盛りの自分に育児なんて考えられないからだ。 躊躇なく「いらない。殺して...」とアリスに告げた。
アリスとフェリックスはショックを隠せなかった。お腹を痛めて産んだのにも関わらずマイエットは一切のためらいもなく赤ん坊の命すら拒絶した。
けれど世間体もある。そして赤ん坊をこのままにするわけにもいかない...
アリスとフェリックスは迷った末、子供を自分たちで育てあげることにした。
退院後もマイエットは赤ん坊の話すら拒んだ。まだ高校生だったマイエットは退院後すぐに学校に通いなにくわぬ顔で友達と楽しく学園生活を送った。
一ヶ月後...
980gしかなかった赤ん坊も1800gまで成長し、退院する事が出来た。
そして赤ん坊にアリスとフェリックスはメイと命名。
メイが退院してからも母親であるマイエットは無関心。育児はアリスと家政婦のアマンダが看ていた。 元々小さく産まれたメイは病気がちだった。そんなメイをアリスは一生懸命育てた。
数ヶ月が経ち、マイエットは高校を卒業した。フィリピンでは16才で高校を卒業する。
そして卒業まもなくマイエットは香港へ就職に出て、メイを両親に任せた。
メイは生まれてこのかた母親に抱っこしてもらえず、泣けばうるさいとマイエットに叩かれ、
「死ね!!」 「うるさい」 「ジャマ」 としか言われず育った。小さなメイはそんなマイエットの仕打ちにも母親に愛されようと必死に笑顔を振りまく...
それもかなわぬ間にマイエットはメイの前から姿を消した...
アリスとフェリックスはそんなメイを母親の分も込めて愛してあげた。我が子のように代わりに親代わりをして、めいっぱいの愛を与えてあげた...
自分の今後の運命も知らずメイは小さいながらに必死に生き笑顔をみせる...
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