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作品名:季節はずれの白い花 作者:甲本 森

第7回   7
湯船由貴子さま

 
お元気ですか?
 ご無沙汰しておりました。
  
 私は、頭がおかしくなってしまったのかしらん。
 いえ、おかしいのです。
 先日、話した先生のことです。

 会ってお礼が言いたい。
 ただ「ありがとう」と言うだけでなく、背景、何故あそこに通いだしたのか、どういう気持ちで通っていたか。その時、心の中で考えていた計画、目標。何に迷い、その迷いを、どのタイミングで、何気ない一言で、フッ切ってくれたか。そんな話を、一から十まで語りつくしたい。事細かに話したい。

 私が話をしたい欲求にかられるなんて、めっちゃめずらしいことです。
 でも、先生に会って、語りつくさないと私のS市時代に、ピリオドを打つことができないのです。
 会いたい、話したい、どうしたらいいの?どないか、ならないかしらん?
と、四六時中思っていて、やっぱり、ちょっと最近の私はおかしいのです。
 会いたい気持ちが募ると、同じ年かっこうの男性が、彼に見えてしまいます。こんなところにいるわけがないのに・・・
 気がついたら、先生〜と、ひとり言をしている自分がいて、いよいよ、気が狂ったのかしらん、と怖くなります。


 はじめに講習を受けます。
 個人情報と、運動しに来た動機、目標など、書き込んだりした後、基礎的なダイエットに関する知識と、マシンの使用方法を学びます。
 小谷さんといわれる、本当に学校の先生のような教え方をする人が講師でした。理路整然と話し、理路整然とした性格に見受けられました。
 顔も、直線の眉、丸い眼、直線の鼻、口。シンプルな構造で、涼しげなイメージでした。

 その日は午後一時に講習の予約をしていました。
 先生は、たぶん二時出勤だったのだと、思います。
 講習の途中にお会いしたとき、会釈してくれました。これが初めての出会いです。

 華やかな広がる笑顔は、今でも、胸に刻印されたまま、一生ものとして、死ぬまで残りそうなほどでした。


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