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作品名:M −エム− 作者:marie

第2回   灰色な時間
自分がどんな人間なのか最近分からなくなってきた。

明るくてリーダー的な存在な自分が最近わからなくなってきたからだ。

きっと自分に自信がないからだ。

ハーフとして生まれてきたけれど、いいことよりも悪いことばっかだった。

そんな自分は嫌いだし、うまれてきたことの意味が分からない。

何度自殺しようとしたか。

きっとそんな子に育っているなんてヤツは知ったこっちゃないだろうね。

ヤツの顔も声も書く字もくせも何も分からない。

でもヤツは私に最悪なプレゼントをおいていなくなった。

「苦しい10代」を。

ヤツは物心ついたときにはいなかった。母と二人で日本で暮らした。

初めは英語しか話せなかった私は、外に友達を作りにでても

すぐに帰ってきたという。

なぜなら

言葉が通じないからだ。

ハーフってだけでバカにされた、はぶられた、いじめられた。

そんな日々ばっかだった。母は私に英語を使うようにさせたけれど

幼いながらも「ここは日本でしょ?なんでママと同じ言葉はなしたい」と言ったそうだ

それから私は「英語」から逃げた。

日本人になりたかった。

それから私は変わった。なんどもくじけず外へ出て行った。

テレビで覚えた日本語を使って。

当時「セサミストリート」や「英語であそぼ」は日本語を覚えるには最適だった。

みんなとは違って英語を聞いて日本語を必死に覚えた。

母は生きていく為に朝、夜仕事に明け暮れた。

アメリカから帰ってきた母を待っていたのは冷たい現実。

母は沖縄の出身だった。

沖縄はアメリカ人との結婚なんって珍しくないように思われがちだが

差別はひどかったようだ。

帰ってきても「やっぱりアメリカァーと結婚しても捨てられるんだねー」といわれ

相手にされなかった。

朝はスーパーのレジ、 夜はスナックのママとして

母はりっぱに育ててくれた。

しかし、もちろん体は正直で見る見るうちに母はやせ、こけ、しわが目立つようになってきた。

優しかった母は口調が強くなりよく私に当たった。

昼間は疲れて眠り、相手してはくれなかった。

そんな日々を生きていった。

二人は必死に生きたのだ。


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