いやいや、しかし良い準備運動になった。 これから試験だというのに軽く修行とはやはり未来のスーパーヒーローは器が違う。今案内している――――――この大して驚いていない様子の――――――この男の心の中では激震が走っている事だろう。 目立つ男はどこへ行っても目立つ定めらしい。 己の運命に逆らえないことを再確認しつつ受験者が集まる会場へ案内された。 「この部屋でお待ちくだい」 「ああ、案内ごくろう」
四角い鉄の重そうな扉に案内され、扉を開けた。 かなり広い部屋だ。ざっと100人くらいの受験者が集まっている。 ふん、この空気が裂けるような緊張感がたまらん。どいつともこいつも相当な修羅場をくぐって来た猛者どもに違いない。確実に人の一人や二人殺めていそうな雰囲気さえ感じる。 特にあの壁にもたれかかっている坊主頭の男、あいつは相当できる。周りのごろつき共とは気が違う。俺ぐらいになると相手の気を読めるのだ。
「おもしろい。来た甲斐があったようだ」
俺は堂々と部屋の中央に座り込んだ。最初から気持ちで負けていては、いざという時に腕が鈍る。この暇な時間にイメージトレーニングでもしておくか。 俺が優勝する、絶対にな。
待つこと30分。
ざわざわと騒がしくなったので俺は目を開けた。周りが同じ一点を見ている。
「始まったか」
草薙二郎の視界に入ってきたのは男三人。中央に拡声器を持ったスーツ姿の男が一人と両側に屈強な男が立っていた。
「え〜、テステス。うんん、本日はお集まりありがとうございます。去年より参加者が多い事に関して我々関係者共々まことに感謝しております。え〜この政府公認のバトルに優勝した方には優勝賞金とエキスパート部隊の入隊が認められております」
ふん、俺は部隊などどうでもいい。ただ俺は自分の実力を試しにきたのだ。賞金は貰うがスーパーヒーローへの道はもっと先にあるのだ。
「それから本戦に進める人数ですが、16人とさせていただきます。今ここには121名の参加者がおられますがこの場で16人まで絞らせていただきます」
この内容に周りが一層ざわつく。
「一人一人審査していては、日が暮れてしまいますので私とジャンケンしてください」
草薙二郎は叫んだ。
「なんだと!」
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