『では準々決勝第二試合レディ、ファイト!!』 高々とゴングが鳴った。
あいさつ代わりと拳を軽く合わせてからお互い距離を取った。 「二郎行くよっ!」 「おう」 二郎の周りを円を描くようにアンナが移動する。 じりじりと間合いが詰めながら機を伺う。 肌がちりちりとする緊張感が増し、場を支配していた。 二人はもう一歩、二歩踏み込むとそれは両者が交わる距離にまで近づく。 場の空気を察してか観客からよけいな野次はない。 あったとしても今の二人には聞こえないだろう。 先に動いたのは二郎の方だった。 「どうりゃああああ!」 力強くステップを踏むとアンナの腹めがけて右中段回し蹴りをした。 もちろん手加減はしない。が、本気の蹴りでもない。アンナの対処と次の行動を見極めてもう一撃入れる為に動作の余力を残した蹴り、しかし威力は十分にある。 「ふん!」 アンナはしっかり両腕でガードして踏ん張る。 二郎はその若干の硬直を見逃さなかった。左ジャブから左ボディとつなげ右ストレートを放つ。 「!」 アンナはガードで精一杯と感じそこから拳の雨を浴びせる。 「てぇりゃあああああ!!」 「う、く…」 アンナの体が揺さぶられると大きな胸も揺れるがそんなことは気にしない。 全力で叩き潰すのみ。 「アンナどうしたぁ! お前の実力はこんなものかっ!?」 「…ま、だ」 嵐のような拳の壁に一閃。 アンナの右ストレートがカウンターで二郎の顔面へモロに入った。 「ぐふ、なにっ!?」 大きく仰け反る二郎に追い打ち、高く足を上げてからの踵落としが決まる。 二郎は倒れ込む間際に地面に両手をつき前方に一回転して距離を空けようとするがアンナの追撃は止まらない。後頭部に左ストレートを繰り出す、それを間一髪で二郎がしゃがんで避ける。 避けたあとにアンナの足下へ足払い。これをジャンプで躱すアンナ、そのまま胴回し回転蹴りへと移行する。 「ぐわっ」 頭部を反対にして倒れていたので背中あたりに打撃が入ったが実質覆い被さったぐらいなので二郎にダメージはほとんどない。前へ少し這ってから立ち上がるとすぐに振り返った。 アンナも立ち上がって構えている最中だった。 「ま、まだだよ。二郎との勝負をすぐに終わらせたくない」 「アンナ…俺もだ。来い!」 「うん、たああああああ!!」 アンナは二郎の手前まで猛然とダッシュする。 拳を出せば当てられる、策は講じてないのか? 二郎は反射的にアンナめがけて左ジャブを出していた。 とたんにアンナは姿勢を低くして顔は両腕でガッチリ固めてジャブをガードし、ジャブを戻すタイミングに合わせて飛び込んだ。。 (しまった!!) 二郎の懐に潜り込んだアンナは左右に体を振ってフックを叩き込む。振れば振るほどダメージは大きくなっていき二郎の体を後退させる。 「ぐあああああ!!」
『アンナ選手のラッシュ良いですねぇ。実に良い。これで決まってしまうのか!?』
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