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作品名:スーパーヒーローへの道 作者:ケンロウ

第16回   第1試合
 狭い通路を通り終えると歓声が二郎の鼓膜を振るわせた。
「うおおおお」
「ぴぃーぴぃー」
「やれーやれー」
 出た先は四方に囲った観客席と一辺が30メートルぐらいある正四角形のコンクリートで出来たリングがあった。
「はい、ではみなさんあのリングで待っていてくだいね」
 アイスはそう言うと足早に進み、反対側の観客席の横にある小さな扉に向かって行った。「ふん」
「二郎、早く行こうよ」
「ああ…」
 16人がリングに集まるとしけた花火が上がる。
「パン、パパン、パン」
「うおおおおおおーーーー!!」
 花火の音に合わせて観客の歓声は一段と高まった。とてつもない声量でバトル会場を覆い尽くしたがそれ以上の大音量が会場に響いてきた。テープに録ったような機械的なファンファーレが鳴る。アイスが向かっていた観客席のまだ高い位置に建造物があり、その後ろには高いビルがあった。音はその場所から聞こえているようだ。音が鳴り止むと、同じ音量でアイスの声が聞こえてきた。

『えー、テステス。ゴホン、これより第何回だっけ!? えと、まぁいいや。政府公認のバトル大会を開催します』

 観客のボルテージも上がる。
「うおおおおおおーーーー!!」

『みなさん出来れば静粛に…では早速ですが第一試合を始めたいと思います。第一試合タンド・カルーゼ対トール・ハイマンです。他の選手はリングから出て観客席との間の芝生で待機していてください。審判もいいですか?』

 颯爽と登場した白黒で縦縞のが入っている服に黒いズボンを履いた審判らしき男が手を振る。二郎を含めた14人はアイスに言われた通りにリングの外に出て、リングに残った二人はお互いとも視線を外さないままファイティングポーズをとった。

『では、準備はよろしいようですね。それでは!! 第一試合レディ・ファイ!!』
「カーン!!」

 髪の長い金髪男、タンドと普通の感じのトールが同時に前へ出る。タンドが低空タックルを試みるがタックルを切られる。
「ぬがぁぁぁぁぁ!!」とタンド。
「甘い、甘い」とトール。
 そのまま体勢からトールの膝の連打!!まともに受けているタンドは苦しそうだ。実況の人も声を荒らげる。
『あ、危ない。危ないですよ。コレは』
 これで決まりかと思われたが間一髪ところで打撃を避けてその隙になんとか力で強引にスタンディングになった。
「うおおおおおおーーー!!」と観客。
『いやぁ、よく持ち直しましたねぇ』と実況者。
 それを冷ややかに見ているリングサイドの14人の面々。

「あっ二郎、見ていかないの?」
「ああ、つまらん試合だ」
「そう」
「ちょっとトイレ行ってくる」
「うん…」
 二郎は立ち上がると歩を進めた。
(あんな奴らでは話にならんな。俺は第四試合か。それまでに…)

 一方、アイス・ミント専用の観戦室では…
「アイス様、この中にいますかね?」
 アイスの世話係である一人の兵が尋ねる。
「どうでしょうねぇ。とりあえず今戦っている者はダメですね。話になりません」
 右手に持っている赤ワインが入ったワイングラスを揺らしながらクククと笑う。
「はぁ」
「でもまぁ、しかし一人期待出来そうな人物はいますよ」
「そ、その者は誰ですか!?」
 見つめていたワイングラスから手前に置いてある顔写真付きの資料に目線を落とした。
「草薙二郎…今大会の目玉になるかもしれませんね」


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