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作品名:『夏〜キミは確かにいたんだ〜』 作者:TO−YA

第1回   夏祭り
俺は思い出していた、あの頃の夏を。キミと過ごした2年前の夏。
こんな風に暑くて、太陽がやけに眩しくて、そしてキミも眩しかった。
俺たちは、付き合い始めたんだ。あの夏に。。。


バイト先のコンビニで後からキミが入ってきたよね。それが俺たちの出会いだったんだ。
俺がキミに仕事を教えて、いつの間にか話す様になってそして恋に落ちた。
俺がある日、「お前、俺と居て嬉しそうだな」って冗談のつもりで聞いた時、
「うん」っていったよね。俺は嬉しくて、俺から告白。
そうしてそれから、俺たち二人の夏が始まったんだ。

ミーンミーンミーン・・・・

うだるような暑さの中で夏祭りが開かれたあの日。俺はキミを夏祭りに誘ったね。
盛大に上がる花火に見とれるキミは、とてもキレイだった。
俺は花火は覚えてないよ。キミの笑顔があまりにもキレイだったから。

出店の賑わう通りを二人で歩いていたね。キミは迷子になりそうだから、
俺はキミの手をつないだんだ。手から心臓の音が聞こえてしまいそうで、
でも平気なフリをして、キミはそんな俺に必死でついてきてくれたね。
俺はキミの歩幅に合わせていなかったのは、なぜだか、知ってる?
あれはね、俺の後に一生懸命ついてくるキミが余りに可愛すぎて、その姿を
見ていたかったんだ。きっとキミはもっとゆっくり歩いて欲しかったんだよね。

そんなキミが人に押し潰されないように、俺はキミの後ろに立ったよ。
そして両手でキミの肩を支え、キミを守りながら歩いたんだ。
なのにキミは「手が触れて暑いよ〜」って笑いながら、照れてたね。
けど俺は「ダ〜メ!潰されちゃいそうで、心配だから離さない。暑くても
広いとこ出るまで我慢して」って言ったんだったね。
キミはその時そっと俺にもたれ掛かってきたよね、キミの石鹸の香に
参ってしまいそうだったよ。
なのに、急にキミは「とてもいい香りがする」っていうから恥かしくて
少しキミを放したね。

キミの嬉しそうな顔を見ると、俺も嬉しくなった。


あのキミの居た夏、キミと過ごした夏。
夏が来るたびに、キミを思い出すよ。俺はキミが好きだった。
またあの夏がやってきたよ。俺の胸の痛みは夏と一緒にやってくるよ。
キミが生きていれば、また別の夏があったはずなのに。。


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