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作品名:Bushido〜武士道〜 作者:

第9回   9話「試し打ち」
将は頷き、木刀を持った
すると、兵が防具を持ってきた
しかし、桂は着けない
「私も・・・防具なしで行きます」
と、断った
桂は、ニヤと笑みを浮かべた
「面白い・・・久々にいい試合が出来そうだ・・・勝負は面を一回取ったら終わり、それ以外は無制限だ・・・いいな?」
「はい・・・望む所です」
と、2人とも木刀を握り、構えた
初め!!と言う合図と共に始まった
「えいや!」桂が先手を打った
木刀を縦に大きく振って来た
「っく!」と、いきなりの攻撃にどうにか防いだ
ガ!と激しい音が鳴り響く
将は横に振った
桂は、それを交わし、刀を突いて来た
将は、すぐに反応し、刀を振り、突きを止めた
そして、2人とも下がる

「桂さん・・・本気を出してください・・・今までの攻撃・・・私を試しましたね?」
と、桂を見つめる
「ふん・・・今まで試して打って来た・・・しかしお前は予想以上だ・・・試しは終わりにしよう・・・」
と、構えを変えた

その途端、気迫が将を包んだ
それは、恐ろしく、手が震える
「どうした?震えてるぞ」
「武者震いですよ・・・それが噂に聞く神道無念流剣術ですか?」
「ああ・・・久し振りに・・・な」
将は、刀を振った、桂は、縦に構え防ぐだけだ
そんなやり取りが5度続いた

「なぜだ・・・将殿の隙はあるのに・・・なぜ打ち込まない・・・」
菊池が言うと隣の朱朗が言った
「あれが・・・あの人の剣術・・・お前らはまだ神道無念流剣術を知らんな・・・」
「どういう・・・」

「この剣流は、力の剣法とも言われ、略打(軽く打つ)では無く、「真を打つ」渾身の一撃を一本で打つ・・・・」
その瞬間菊池は悟った
「将!油断するな!来るぞ!」
と、叫んだ
しかし、とき遅く桂は刀を振っていた
大きく、空気を斬り、勢いのある一振りだった
将は、驚き、刀を縦にした
しかし、一瞬で木刀は手を離れ、地に落ちた
そして、桂は、軽く木刀で将の頭を叩いた
「一本!」
敗北だ・・・

「負けました・・・その剣流に・・・」
と、木刀を拾った


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