将は頷き、木刀を持った すると、兵が防具を持ってきた しかし、桂は着けない 「私も・・・防具なしで行きます」 と、断った 桂は、ニヤと笑みを浮かべた 「面白い・・・久々にいい試合が出来そうだ・・・勝負は面を一回取ったら終わり、それ以外は無制限だ・・・いいな?」 「はい・・・望む所です」 と、2人とも木刀を握り、構えた 初め!!と言う合図と共に始まった 「えいや!」桂が先手を打った 木刀を縦に大きく振って来た 「っく!」と、いきなりの攻撃にどうにか防いだ ガ!と激しい音が鳴り響く 将は横に振った 桂は、それを交わし、刀を突いて来た 将は、すぐに反応し、刀を振り、突きを止めた そして、2人とも下がる
「桂さん・・・本気を出してください・・・今までの攻撃・・・私を試しましたね?」 と、桂を見つめる 「ふん・・・今まで試して打って来た・・・しかしお前は予想以上だ・・・試しは終わりにしよう・・・」 と、構えを変えた
その途端、気迫が将を包んだ それは、恐ろしく、手が震える 「どうした?震えてるぞ」 「武者震いですよ・・・それが噂に聞く神道無念流剣術ですか?」 「ああ・・・久し振りに・・・な」 将は、刀を振った、桂は、縦に構え防ぐだけだ そんなやり取りが5度続いた
「なぜだ・・・将殿の隙はあるのに・・・なぜ打ち込まない・・・」 菊池が言うと隣の朱朗が言った 「あれが・・・あの人の剣術・・・お前らはまだ神道無念流剣術を知らんな・・・」 「どういう・・・」
「この剣流は、力の剣法とも言われ、略打(軽く打つ)では無く、「真を打つ」渾身の一撃を一本で打つ・・・・」 その瞬間菊池は悟った 「将!油断するな!来るぞ!」 と、叫んだ しかし、とき遅く桂は刀を振っていた 大きく、空気を斬り、勢いのある一振りだった 将は、驚き、刀を縦にした しかし、一瞬で木刀は手を離れ、地に落ちた そして、桂は、軽く木刀で将の頭を叩いた 「一本!」 敗北だ・・・
「負けました・・・その剣流に・・・」 と、木刀を拾った
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