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美しい暦 les jours de l'elegance
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作品名:美しい暦 les jours de l'elegance
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作者:zep
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第6回
ロッテリア
厳しかった残暑もすっかり落ち着いて大学の後期の講義が再開されて暫くしてから、一度「明大前」の駅で偶然出会ったことがあった。 「耕治クン、大学が此処だからいつか会うと思ってたの。元気だった?いい彼女出来た?」 「やぁ衿ちゃん、ほんと久し振りだね。うちの女子学生はみんな男勝りだからな。可愛い子は3年生になってお茶の水に移ったら、何処かの子と出会うかもね。今はいないよ。」 「なぁんだ、そうだったの。あたしすぐそこのロッテリアでバイトしているからその裡に帰りでも寄ってネ。今から授業なの。じゃあまたネ。」 と言うと、手を振って下りホームへと駆け上がって行った。
その翌週に耕治は大学では唯一話が合って仲の良い田島を誘ってロッテリアに寄ってみた。田島には彼等の大学には珍しく都会的なセンスを身に纏ったきれいな彼女がいるが、耕治の話には興味津津で、じゃあ今日帰りに寄ってみようよ、と言って付き合うことにした。 衿子は丁度出番だったが仕事中だったからゆっくり話すことは出来なかった。ただオレンジのストライプのミニの制服から伸びた衿子の脚が眩しくて、耕治は目のやり場に困った。それでも今神宮でやっている東京バザールに行きたいと言われて、一緒に行く約束をした。 田島は店を出ると、 「すごく可愛くていい子じゃん。一緒に話していて楽しいし、面白い子じゃん。」 とベタ褒めだった。耕治は満更でもない気分で聞き乍ら、自分と同郷の仲のいい子が同じ都会の一画で元気にアルバイトしている姿を見て、何処かほっとする温かいものを感じていた。
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