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美しい暦 les jours de l'elegance
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作品名:美しい暦 les jours de l'elegance
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作者:zep
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第5回
新生活
新宿の末広亭で親子3人で寄席を楽しんだりして、一足先に帰った弟に続いて、炊飯器の使い方等を細かく説明して、母親も束の間の命の洗濯が出来て楽しかったよと言い残して秋田へ戻った。こうして憧れのひとり勝手気儘な大学生活が始まった。此の何をしても一人という気楽さこそ耕治が一番求めていたものだった。秋田では激しい恋も酷い別れも家族の前では何も起きてない風を装っていなければならなかった現実から逃れられる開放感がとても貴重だった。
秋葉原から電車でテレビを運び、近所でシングルベッドを買って来て組み立てて、耕治の部屋も少しずつ自分の城の様になって来た。4年後何処に就職するのか見当も付かなかったが、此の部屋が段々住み心地良くなっていくことで、手放したくない空間になっていった。
今年で3浪目を余儀なくされた一也に、気晴らしにディスコに行ってみたいんだけど、誰か誘える様な子いる?と言われて、2、3回衿子とそのクラスメイトと皆で新宿の「あしべ」等で遊んだりしたが、その後衿子とは自然に会う機会がなくなっていた。 耕治は小田急線沿線のケーキと喫茶の店でアルバイトを始めていたし、衿子は短大も寮も京王線だった。 夏には耕治の不摂生が祟って慢性胃炎と診断されて秋田に帰って高校の仲間達と遊んでいたし、衿子は学生時代最後の夏休みだったから、就職活動の傍ら東京のクラスメイトと旅行三昧と忙しかった。
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