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作品名:汚水 作者:tomosibi

第74回   真理恵24
部活の話、ペットの話、家族旅行の話、息子の成績の話まで、
デジカメで撮った写真つきで逐一報告されている。

まるで恋人についての詩であるかのような、
甘ったるい愛情に溢れた画面を見ていると、胃がムカムカしてきた。

「ね、真理恵、これ、あの人よね?」
「そうね。私の父親だね」
「え、あの、これって、あの人の、もう一つの家族だよね」
「そっちが本家なんじゃないの。うちは捨てられたの」
「信じられない…。のうのうと、こんなホームページを作って、公開して…」
「まあ、幸せな家族だから、自慢したかったんじゃないの?」
「それにしても、こんな近くに住んでたなんて…。
何度か、すれ違ってたのかもね。この、実くんって子とも、女の人とも」

千春の愚鈍さに苛苛する。
すれ違ってもわかりたくないから、今まで、どんな人たちなのか知らないでおいたのに。
あいつの妻と息子がこんな顔してたなんて、知らなくてよかったのに。知りたくなかったのに。


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