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作品名:汚水 作者:tomosibi

第7回   かわいそう
その後、まりえをなだめて中庭に連れて行った。
顔を覆ってシクシク泣く彼女に俺はたじたじになった。

もちろん俺だって千春さんにムカついてはいたのだが、
直接関係は無いまりえが余りにも怒っている様子を見ていると、
なんだかどうでもよくなってしまった。

「おい、まりえ、ちょっと怒りすぎだったんじゃないか?」
「…ごめんね、実くん」
「何なんだ?人が変わったようになって」
「実くん、吐いちゃったんだよね」
「え?」
「お魚、全部吐いちゃったのよね?」
「う、うん」
「グチャグチャになって、蒔き散らかされて」
「え、あぁ、そうだけど、もういいって」
「そう、そうよね、起こってしまったことは仕方が無いわ」
「千春さんも謝ってたし」
「でも、でも、可哀相で…」
「可哀相って、俺が?」

まりえは、涙を拭う手を止めた。
「いえ、お魚さんが、可哀相」
「は?」
「あ、いえ…ひどいことするわよね、千春さん」
「そ、そうだな」
「もうあんな人に関わるの、やめましょ?
私がいつもいっしょに居てあげるから、ね」

まりえがにっこり笑った。


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