その後、まりえをなだめて中庭に連れて行った。 顔を覆ってシクシク泣く彼女に俺はたじたじになった。
もちろん俺だって千春さんにムカついてはいたのだが、 直接関係は無いまりえが余りにも怒っている様子を見ていると、 なんだかどうでもよくなってしまった。
「おい、まりえ、ちょっと怒りすぎだったんじゃないか?」 「…ごめんね、実くん」 「何なんだ?人が変わったようになって」 「実くん、吐いちゃったんだよね」 「え?」 「お魚、全部吐いちゃったのよね?」 「う、うん」 「グチャグチャになって、蒔き散らかされて」 「え、あぁ、そうだけど、もういいって」 「そう、そうよね、起こってしまったことは仕方が無いわ」 「千春さんも謝ってたし」 「でも、でも、可哀相で…」 「可哀相って、俺が?」
まりえは、涙を拭う手を止めた。 「いえ、お魚さんが、可哀相」 「は?」 「あ、いえ…ひどいことするわよね、千春さん」 「そ、そうだな」 「もうあんな人に関わるの、やめましょ? 私がいつもいっしょに居てあげるから、ね」
まりえがにっこり笑った。
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