「パパに出てけって言われたの?ママ」
「そうよ!このアパートを売ってね、 あの糞女とクソガキに美味しい飯を食わせてくための金にしたいのよ! 糞じじいが!」
「パパを糞じじいなんて言わないで、ママ」
… しばし沈黙
ママは、歯をぎりぎり食いしばりながら、床に座っていたけど、 ゆっくり顔を挙げて、にたぁ、と笑った。
「そうね〜、あんたのパパだものねぇ。
あんたの、だーい好きな、パァパだものねー。
あなたたち、いつも、イチャイチャベタベタ、仲のいい親子だったわよねえ」
私は嫌な気分になった。
「そ、そうよ。あたしは、パパとお別れしたくなかったのに」
「あたしのせいだっての!?」
「ち、違うよ、悪いのはあっちの女でしょ」
また沈黙。
私は、破けた白いカーテンと、その間から差し込む生暖かい光を見つめて、立ち尽くしていた。
ぼそり、ママが何か言った。
「…せいになりなさい、真理恵」
「え?」
「ぎせいになりなさい真理恵」
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