その後…
激昂した私は お店の人に外に放り出され…
千春とかいう女は泣き、
あーあ。
これじゃあただの喧嘩してる女友達にしか見えないよ。
モニターの外に出てみれば そこはただの現実。
あふれる内臓も腐敗も、非日常。
ハンドルネームがなくなれば、 私はただの暗い中学生。
隣で泣く女は、 ただの高校生(!)
「ねぇ、まだ泣いてるわけぇ」
夕暮れの公園で私は、腕組み。
「あの、ごめんなさい、真理恵ちゃん。私、あの、期待に、沿えなくて… 男の子が良かったのよね。真理恵ちゃんは」
「!! 人のこと淫乱みたいに言わないでよ。
別に男でも女でもいんだけどさ。
もっと…、すごい人かと思ってたわけよ。あんな怖いサイト作ってる人だからさあ」
「…ごめんなさい。こんな、普通の、女で…ひっく」
ちぇっ。 なんか、馬鹿馬鹿しい。
私、一人で、妄想して、恋して、熱くなって。 がっかりして、キレて。
「まあ、私もいきなりひどいことして、悪かったわよ。 これからも、サイト運営、がんばってくださいな。 じゃーあね〜」
帰ろうとした私のスカートを、きゅっと引っ張られた。
「何すんのよ!」
「…ひっく。 やだ。帰らないで」
「はあ?」
「…だって、先週、書き込みで」
「書き込み?ああ、サイトの」
「…真理恵ちゃん、私のこと、好きって、言った!」
「ああ、言ったね」
「はじめてなの」
「何が」
「はじめてなの、人から好きって言われたの。
でも、どんな人かわからなくて、怖くて。
でも、あの、私も、今日、会ってみたら、真理恵ちゃんは、女の子で、すごく、可愛くて…
私…その、気に入って! その、私も。好きになっちゃたから…
帰らないで。お願い」
…何こいつキモい。
頬を赤らめながら必死にすがってくる平凡な女を見下ろして、
私は、くらーい気持ちになって来た。
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