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作品名:汚水 作者:tomosibi

第53回   真理恵C
平日は夕方から真夜中まで。
休日は早朝から真夜中まで。

私は蛾のようにモニターにへばりつくようになった。

ネットの世界なら、私は誰にでもなれる。
ネットの世界なら、歩いて行けない場所を覗くことが出来る。

普段面と向かって言えないようなことでも、強気に発言できる。
すごいすごいすごい。楽しい楽しい楽しい。

ここでは自由だわ。うふふふふふ。

毎日毎日体育座りでガチャガチャ文字を打ち込んで、
ケラケラニタニタ笑っている居る私。
普通の親なら心配もするんだろうけど、
母は、それを「お友達が出来てよかったわね」と肯定してくれて、放っておいてくれた。

限りなく間違った方向の母の愛に感謝。

私は、モニターの向こうの、人体の欠損や奇形の画像を見ることを好んだ。
腐っていく肉や、蛆虫、流れる血や穴の開いた身体が、
ひっそりと表示され続けるのを眺めていると、不思議に落ち着くのだ。
なんだか、自分の心にある欠落が、具現化して存在しているように思えた。
私の本当の居場所は、このグロテスクな肉塊達や、それを喰らう蟲どもの間にあるのではないだろうか、なんて、中二病的なことを妄想して、
そういう気持ちを分かち合える人たちと、掲示板で爽やかに交流してた。


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