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作品名:汚水 作者:tomosibi

第34回  
俺の、顔。俺の、顔。

右目、右目、右目のあったところが、まっくら。何も無い。

そして予想以上の数え切れない鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗。

「うろこが」

あははははははははははははははははっ

真理恵は、腹を抱えて大笑いする。

「実くん、こりゃあ学校に行けないわ」
「お、お、おい!何なんだよ、これ、俺、どうなってるんだよ、おい!」
「だーかーらー、人魚の肉を食べたから、ね。くくくくくっ。
でも、こりゃあ人魚っていうより、蛇、蛇みたーい。
そう、蛇男。見世物小屋の、蛇男みたいだわ。あははははははっ」

「真理恵!!!!」

俺は真理恵の頬を張り飛ばした。
真理恵の上半身がぐらり、と揺らいだ。
耳ざわりな笑い声が止まり、変わりにじっとりとした目がこっちをにらむ。

「…」
「…真理恵。お前のせいだろうが」
「…」
「治せ。この手も、この顔も全部、なお………ぐっ」

喉に何かが詰っている感じがした。
咳き込むと、喉の奥から、ぶよぶよとしたヘドロのような黒い塊が溢れて来た。
「ぐえ」
げええええええええええええ。

次から次へと、腹の奥から溢れ出る、汚物。

飛沫は真理恵の服も黒く汚す。
それを眺める真理恵の瞳も、真っ黒。


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