俺の、顔。俺の、顔。
右目、右目、右目のあったところが、まっくら。何も無い。
そして予想以上の数え切れない鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗、鱗。
「うろこが」
あははははははははははははははははっ
真理恵は、腹を抱えて大笑いする。
「実くん、こりゃあ学校に行けないわ」 「お、お、おい!何なんだよ、これ、俺、どうなってるんだよ、おい!」 「だーかーらー、人魚の肉を食べたから、ね。くくくくくっ。 でも、こりゃあ人魚っていうより、蛇、蛇みたーい。 そう、蛇男。見世物小屋の、蛇男みたいだわ。あははははははっ」
「真理恵!!!!」
俺は真理恵の頬を張り飛ばした。 真理恵の上半身がぐらり、と揺らいだ。 耳ざわりな笑い声が止まり、変わりにじっとりとした目がこっちをにらむ。
「…」 「…真理恵。お前のせいだろうが」 「…」 「治せ。この手も、この顔も全部、なお………ぐっ」
喉に何かが詰っている感じがした。 咳き込むと、喉の奥から、ぶよぶよとしたヘドロのような黒い塊が溢れて来た。 「ぐえ」 げええええええええええええ。
次から次へと、腹の奥から溢れ出る、汚物。
飛沫は真理恵の服も黒く汚す。 それを眺める真理恵の瞳も、真っ黒。
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