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作品名:汚水 作者:tomosibi

第3回   赤い夕日
血のように赤い夕日をバックに俺達は西門をくぐり歩き始めた。
と、そこに見慣れた少女が赤く立っている!

黒髪。
小柄。
セーラー服。
これまた黒い瞳。
が、気弱に笑ってる。

「まりえ」
「実くん、と千春せんぱい。こんにちは」

「こんにちは〜」
千春さんは悪びれもせず、にかにかと笑って挨拶する。

「お前、ひょっとして部活が終わるの待ってたのか」
「やっぱりいっしょにかえりたかったからね。ほんの2時間30分ほど」
まりえ、にっこり無邪気な笑顔

「わ、わるかったな」
俺は千春さんの様子を伺う。
…千春さんはやっぱりにかにか笑ってる。

…嗚呼、修羅場?
女たちよ俺の為に争わないでくれ♪

「まりえちゃん」
「はーい。何ですか」
「今からネットで買った人魚の肉を食べるんだけど、一緒に来ない。
何か食べたら不老不死になれるみたいよ」

うおっ千春さん何誘ってんだよ。
そんな超怪しいこと言われて
付き合ってやれるのは俺ぐらいだぞ。
っていうか
恋人と浮気相手と三人の食卓とか絶対かこみたくねえぞ、ふざけんな。

「う〜ん…」
まりえ、考えこむ。いいぞ。悩め。
しばし沈黙。
まりえ、怒ってるのか?

「やめとくわ」
まりえは、なぜか笑顔を見せた。
「こんな自分がいつまでも生きることになったら、それこそ悲劇だもの」

うむ。詩的な返答。さすがまりえは清純派。
…やっぱ千春さんの方が魅力的だわ。

「じゃ、俺ら行くから」
「千春さんの家に行くの?」
「そ。じゃ、また明日な!」
「うん。ごゆっくり」

何がごゆっくりだか。
…嫉妬すらできねえ。つまんねえ女。
じゃあ何で付き合ってるかって、まあ、それは男の性というか。
彼女ぐらい横に連れてないと格好悪いじゃないですか!ねえ。

もし千春さんが俺と付き合いたいのなら、それが一番いいんだろーけど
まあ、無いだろーな。
同じ学校で付き合ったり分かれたりって色々ややこしいし。
てなわけで怪奇研究部は良い。大人の付き合いが良いね。

「行きましょうか。課外活動」
「『美女の家で人魚を食べようツアー』すね」

血のように赤い夕日をバックに俺達は歩いていった。
影がまっくろく俺らの後ろに伸びてった。


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