血のように赤い夕日をバックに俺達は西門をくぐり歩き始めた。 と、そこに見慣れた少女が赤く立っている!
黒髪。 小柄。 セーラー服。 これまた黒い瞳。 が、気弱に笑ってる。
「まりえ」 「実くん、と千春せんぱい。こんにちは」
「こんにちは〜」 千春さんは悪びれもせず、にかにかと笑って挨拶する。
「お前、ひょっとして部活が終わるの待ってたのか」 「やっぱりいっしょにかえりたかったからね。ほんの2時間30分ほど」 まりえ、にっこり無邪気な笑顔
「わ、わるかったな」 俺は千春さんの様子を伺う。 …千春さんはやっぱりにかにか笑ってる。
…嗚呼、修羅場? 女たちよ俺の為に争わないでくれ♪
「まりえちゃん」 「はーい。何ですか」 「今からネットで買った人魚の肉を食べるんだけど、一緒に来ない。 何か食べたら不老不死になれるみたいよ」
うおっ千春さん何誘ってんだよ。 そんな超怪しいこと言われて 付き合ってやれるのは俺ぐらいだぞ。 っていうか 恋人と浮気相手と三人の食卓とか絶対かこみたくねえぞ、ふざけんな。
「う〜ん…」 まりえ、考えこむ。いいぞ。悩め。 しばし沈黙。 まりえ、怒ってるのか?
「やめとくわ」 まりえは、なぜか笑顔を見せた。 「こんな自分がいつまでも生きることになったら、それこそ悲劇だもの」
うむ。詩的な返答。さすがまりえは清純派。 …やっぱ千春さんの方が魅力的だわ。
「じゃ、俺ら行くから」 「千春さんの家に行くの?」 「そ。じゃ、また明日な!」 「うん。ごゆっくり」
何がごゆっくりだか。 …嫉妬すらできねえ。つまんねえ女。 じゃあ何で付き合ってるかって、まあ、それは男の性というか。 彼女ぐらい横に連れてないと格好悪いじゃないですか!ねえ。
もし千春さんが俺と付き合いたいのなら、それが一番いいんだろーけど まあ、無いだろーな。 同じ学校で付き合ったり分かれたりって色々ややこしいし。 てなわけで怪奇研究部は良い。大人の付き合いが良いね。
「行きましょうか。課外活動」 「『美女の家で人魚を食べようツアー』すね」
血のように赤い夕日をバックに俺達は歩いていった。 影がまっくろく俺らの後ろに伸びてった。
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