「何で治らないなんて言うんだよ」 「病気じゃないもの」 「何でお前にそれがわかるんだ」 「だって、実くんが体調を崩しているのは、 人魚を食べたことが原因だってわかってるじゃない」 「…だから?」 「実くんの体に起こっている変化は、病気じゃないもの」 「じゃあ、何だっていうんだよ」 「実くんの体に起こっている変化は、 …そうね、たとえて言えば、赤ちゃんが出来たようなもの」 「?」 「でも人間を生むわけじゃない。 言ってみれば、実くんは、死を受胎したの。 あの日、あのアパートで」
死を受胎した? さっぱりわからない! とにかく、まりえは俺の浮気に怒っていたってことかな? だから、今になってこんな嫌がらせを言うんだろうか。
「…よくわからないけど、ごめん、まりえ。 謝るよ」 「…えっ」 「長い間、千春さんと『部活』やってきたことも、 あの日、アパートに行ったことも謝るから。 だから、これ以上気味悪いこと言うのはやめてくれよ!たのむ」
まりえは拍子抜けしたような顔をして、小首を傾げた。
「実くん、あやまるの?」 「ああ、ごめんってば」 「…」 まりえは黙った。 その表情は、困惑しているように見えた。
「じゃあな」 俺は、まりえを無視して去ろうとした。 すると、後ろからまりえが追ってきた。
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