昼休みが始まると、すぐにまりえが駆け寄って来た。 おそらく、授業中もずっと千春さんのことを考えていたんだろう。
俺もまりえと話したかったので、二人で中庭に行った。 中庭は暗く、誰も居ない。湿った石の上に腰掛ける。
「実くん、実くん、心配でしょ。先輩のこと」 「あぁ…、どっかに居るんだと思うけどなあ」 「実くん、千春さんの携帯知らないの?仲良しだったのに」 「いや、もちろん知ってるよ」 「メールか電話してみようよ、今すぐ」 「ああ、でも、前から連絡がつかないんだよな。 俺、しばらく部活休もうって思って、 最近ずっとしてたんだ。だけど、何か無視されてて…。 まあ、気まずいんだと思うよ。 お前、千春さんにマジ切れてたし」 「うぅ…。ごめんなさい…」 まりえは小さくなって悲しそうにする。 それを見ていると怒る気になれない。
「いや、もういいんだけどさ。 あれが原因で失踪とか嫌だな…」 「千春さんが居ないと『怪奇研究部』出来ないね」 「ああ。俺、もう行かないと思うよ」 「実くん、『もう行けない』じゃなくて、『もう行けない』だよ」 「えっ」 「だって、千春さんが居ないんだから、 もう、行けないと思うよ。部活」 「何だよ、変なこと言うなよ、 まるで、千春さんが、もう…」 言いかけて俺は嫌な気分になった。
まさか、まりえ、千春さんに何かしたわけじゃないよな。
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