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作品名:汚水 作者:tomosibi

第14回   他に質問は?
俺は手を挙げた。先生が
「あなた、黒井さんのお友達なの?」
と声をあげた。

教室のどこかから、
下品な笑い声と、
おまえら仲いいもんな、という声が聞こえた。
…うっせえよ。

「いえ、ちょっと質問」
「どうぞ」
「誰か、黒井さんの家に行ってみたんですか?
もしも風呂ん中とかで倒れてたりしたら…」
「ああ、そういうことはご家族が
すでに確認してらっしゃると思います」
「え、でも、彼女、一人暮らしでしょ」
「いえ、黒井さんはちゃんと家族と住んでいらっしゃいますよ?
だから、お父様から、昨日のうちに、娘の帰りが遅すぎる、と学校に連絡が来たんです」

????
千春さんが家族と住んでる?
じゃあ、俺が食事をしに行った、
あの暗いアパートは何だったんだ?

「他に質問は?」
俺は、一瞬、あのアパートのことを言うべきか悩んだ。
しかし、それによって、何か面倒なことに巻き込まれるのかもしれないぞ、
という計算が働いて
思わず口をつぐんでしまった。
俺があのアパートに行ったことは、聞かれるまで黙っておこう。
そのほうがいい気がしたんだ。何となく。

担任はさほど心配してない様子だった。
「まあ、まだ、昨日の今日ですし、
どこかに外泊しているの、かもしれないですよね。
みなさんは、節度を持った行動を心がけてくださいね。
ご両親に心配がかかりますから」

担任は、千春さんが男の家に居るって、決め付けてるのだろうか。
千春さんのことだから有り得なくは無いと思うけど、
何かあったんだとしたら、心配だな…。
ふと、視線を感じて斜め後ろを見ると、
まりえがすこし離れた席から俺を見ていた。


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