やべ。俺はわが家のヤバイ扉を開いてしまったのか?
登校中も体のダルさが取れない。 それに、胃がむかむかしている。 電車の中でもひたすら俯いて目をつむっていた。
…それなのに、まりえは朝から元気だ。 教室に入ると、真っ先に俺を発見し、 子犬のように駆け寄ってくる。 「おはよう!実くん」 「ああ、おはよう」 「ねえー、今日の放課後は、空いてるかなあ?」 「ん?あぁ…」 「怪奇研究部は、もう行かないんだよね?」 「…そういう気分じゃないかな」 「あのねえ、実くんに、見せたいものがあるのよ」 「ああ…」 やっと俺のテンションの低さに気がついたのか、 まりえは首を傾げ、大きな目で俺を見つめた。 「実くん、まだ体調悪いの?」 「ああ」 まりえは目を大きくして、ぐっと俺の顔を覗き込んでくる。 「そっかー。体調が悪いんだね。そっかそっか」 今度は一人でぶつぶつ言って納得してる。 何かを確認しているかのような言い方だった。
始業チャイムが鳴り、みんなが席に戻りはじめる。 数分後、担任の女性が教室に入って来た。
そして、おもむろに教卓の前に立ち、 顔をしかめて、こんなことを言った。
「昨日から、上級生の、黒井千春さんの 行方がわからないらしいです。 居場所を知っている人は、教えてください」
どきっとした。
え??
千春さんが、居なくなった??
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